こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
テレビドラマ『下克上球児』の主人公教師が教員免許を偽造していたという設定だそうで、このところ「教員免許の偽造」や「ニセ教師」という言葉がちょっとした話題になっているようです。
言うまでもなく偽造はあってはならないことですが、残念ながら実際に起きているんですよね。
- 教員免許偽造の実際のニュースを知りたい
- 偽造で生徒の単位がどうなるのか知りたい
- 更新してない期限切れ教員免許の扱いは?
こんな疑問に答える記事になっていますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
教員免許の偽造に関する実際のニュース
2016年3月(栃木)
公立中学校に勤める55歳の養護教諭の女が長年にわたり免許偽造をしていたことが発覚し、県警に告発されました。
初任校の書庫に保管してあった前任教諭の免許状の写しをコピーし、氏名や交付年月日を自ら書き換えて学校に提出したそうです。
なんと29年!にもわたって無免許のまま勤務していたとのことですが、教員免許更新にあたって免許状番号と交付年月日が整合しないことで発覚したのだとか。
最初の採用の際に見逃されると、
その後に確認されるタイミングは
ないものなんですね…
2018年11月(福井)
講師として採用が決まった26歳の男が、「小学校教諭2種」「中学校教諭1種」「特別支援学校教諭1種」の3つの免許状データを作成し、京都府教育委員会の公印を模した角印をそれぞれに押して偽造しました。
採用は偽造の前だそうで、合格したものの免許を持っていないと言い出せず、両親にも嘘をつき続けていたそうです…。
講師として年度途中に採用ということで学校側も人手不足に困っていたのでしょうが、これって免許番号や名前の照合など採用する側がしっかり確認していれば防げたはずですよね。
男は2年8ヶ月にわたって講師として勤務しました。
2020年12月(大分)
県立学校に勤める25歳の臨時講師の女が次年度の教員採用試験(教諭)に合格したことで、文科省のデータベースに名前がないことから偽造が発覚しました。
大学の教職課程の単位が不足していたためパソコンで免許状を偽造して、自分の名前を書き込んで提出していたそうです。
こちらは教諭としての採用前には防げていますが、そもそも臨時であっても講師として採用する時点で照合されるべきですよね。
女は1年8カ月にわたって講師として勤務しました。
次年度の採用試験を受けるぐらいですから教師としてやる気があったんでしょうし、合格するぐらいですから教師としての力が期待される人だったんでしょうに…
なぜ教員免許を偽造したの?
そもそも、彼らはなぜ教員免許状を偽造してしまったのでしょうか。
どうやら「大学で免許取得に必要な単位が取れなかった」ことが理由になっているようです。
科目等履修生や通信制大学などで必要科目の単位だけを修得することは可能なはずですが、それをせずに偽造に走ってしまうとは短絡的な行為ですよね><
わたしの友人は大学在学時には
途中で教職課程を諦めましたが、
社会人になってから科目等履修生で
単位を取って教員になりましたよ!
教員免許状って簡単に偽造できるデザインなの?
もちろん、偽造するほうが悪いのですが…
教員免許状って顔写真がないし、別に透かしがあるわけでも割印があるわけでもないんですよね。
発行する教育委員会の公印はあるものの、言ってしまえばただのA4の厚紙に印刷されただけなんです。
なんていうかもうちょっと
持っていて嬉しくなるデザインに
して欲しいですよね…
偽造防止のためにもなりますし…
また、様式が都道府県によって多少異なることもあり、教育委員会側は別の都道府県の発行した免許状だと違和感を抱くことなく受け入れてしまうという問題もあります。
教育委員会にはより丁寧な対応が求められるところですが、偽造される前提で対応していない・全員確認は煩雑になりすぎるという意見もあるようです。
しかしこうして度々報道されている以上は、子どもたちに不利益が生じないように、講師の採用であっても免許番号や氏名の照合を義務付けてほしいですね。
偽造教師の授業を受けた生徒の単位は、どうなるの?
偽造免許が発覚した場合に、いわゆる「ニセ教師」の授業を受けてしまった生徒の単位認定はいったいどうなるのでしょう。
単位認定するのかどうかについては、報道される場合とそうではない場合があります。
大分県のニュースでは、この講師に教わった生徒の単位は学校長判断で認めたことが報道されていました。
先生が嘘をついていたとなると生徒も保護者もショックは大きいでしょうし、そこにさらに補習・補講としての負担がかかるとかなり辛いところですもんね…。
「校長が授業の有効性を認める」
という表現になるそうです。
しっかり授業ができる人だったなら
なおさらきちんと免許を取得して
先生になってほしかったですね…
以前は「教員免許の期限切れ」もあった
実は、2022年7月に教員免許更新制度が廃止されたんですよね。
それまでは10年に一度の更新が義務付けられており、更新を忘れていて免許を失効した教員の授業を受けた生徒の単位をどうするのか?ということが度々報道されていました。
教員免許更新制はいろいろな問題があり廃止されましたが、2016年の栃木の件はある意味更新制のおかげで偽造が発覚しているんですよね。
そういう視点で見れば、教員免許更新制は教員免許の偽造防止に貢献した制度だったと言える…のかもしれません。
【合法】教員免許なしで教壇に立つ方法
正しい手続きを踏めば、実は教員免許なしで先生として教壇に立つことが可能です。
臨時免許状
「臨時免許状」は、名称の通り「どうしても先生が足りない!」という場合に臨時的に発行されます。
特別免許状
「特別免許状」は、民間企業やNPO法人等で教科に関する専門分野の勤務経験がある人やオリンピックなどの国際大会での経験がある人、博士号を持っている人に対して発行されます。
免許外教科担任制度
「免許外教科担任制度」は、当該学校の普通免許状を有する教員に他の教科を担当させることを特別に認める制度のことを言います。
おわりに
今回は「教員免許の偽造」に関する話題をまとめてみました。
大学の単位不足で偽造に走ってしまうようですが、その労力を単位取得に使ってほしかったですね…。
ちなみに話題になっているドラマの主人公教師は、教員免許を偽造している「無免許教師」「ニセ教師」という設定だそうです。
ドラマはあくまでフィクションだといっても、原作小説のモデルになっている先生は決して偽造はしていないのに…と少々物議を醸しているのだとか;;
モデルになっている先生や
その周囲の人からすると、
いい気分はしないですよね…
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