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過去に教員だった人、受講対象者証明書は誰からもらう?講習の申し込み方法は?教員免許更新の手続き方法②

退職後の教員免許更新講習の申し込みに必要な書類受講対象者証明書 教員免許制度
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こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

2007(H19)年6月の改正教育職員免許法の成立により、2009(H21)年4月1日から教員免許更新制が導入されてから10年以上が経ちますが、何かとややこしい制度ですよね。

今回は新免許状所持者のわたし自身が、教員免許更新講習に申し込んだ際の手順をもとに

  • 更新講習ってどうやって決めるの?いつまでに申し込むの?
  • 必要な書類は?現在教壇に立っていない場合も同じ書類でいいの?
  • 受講した後、何をどこに提出したら更新が完了になるの?
  • 現職教員ではない教員を辞めた人の手続きも同じなの?
  • 文科省HPを見たけど、何から取り掛かればいいのか分からない

こんな疑問を持っている方向けに体験談をご紹介する記事です。

前回の①では、講習スタイルごとの違いや選ぶときのポイント、費用などについてご紹介しました。
関連更新講習の選び方は?いつまでに申し込みが必要?教員免許更新の手続き方法①

ちなみにわたしが選んだ講習は「最後のテストまで全てテキストもしくはオンデマンド」での「30時間(6時間×5講習)の一括申し込み」です。

ポイント
  • オンライン…生放送講習を自宅で視聴。日時が決まっている
  • オンデマンド…録画講習を自宅で視聴。好きなタイミングで何度でも見られるし、巻き戻しが可能。
  • テキスト…テキストが送付され、自宅で読む。好きなタイミングで学習可能。
  • 対面講習…大学等に行って受講。日時が決まっている

本当は対面講習で受講してみたい
大学があったのですが…
コロナ禍で断念しました。残念。

続きとなる今回の記事では手順②として、受講対象者である証明書の発行依頼や受講の申し込み方法について、わたしが実際におこなった手続きをご紹介していきます。

この受講対象者である証明については教員を辞めている人にとっては一手間増える、少々ややこしい部分でもあります。ぜひ最後までご覧くださいね。


教員免許更新制2022年7月1日に廃止となります。
こちらの記事は更新制がどのように運用されていたのかを知る手がかりとして、当時のままの内容で残しておくことにしました。

更新制廃止後教員免許の失効・休眠・復活については↓の記事で紹介しています。

申し込みの大まかな手順

現在の職業によって変わる部分が一部ありますが、教員免許更新の大まかな手順はこちらです。

教員免許更新の手順
  • STEP1
    受講する講座を選ぶ

    (1)6時間以上の必修領域、(2)6時間以上の選択必修領域及び(3)18時間以上の選択領域の合計30時間以上を受講する必要があり、選択領域については、所持する免許状の種類(教諭・養護教諭・栄養教諭)に応じた講習の受講が必要となります。→講習開設情報:文部科学省から選ぶ

  • STEP2
    受講対象であることの証明をもらい、講座を申し込み、受講する

    更新講習の受講申込みをする際には必ず受講対象者であることの証明が必要になります。勤務する学校または以前の勤務校の校長、または任用又は雇用する可能性がある教育委員会や法人の長から、受講対象者である証明を発行してもらわなければ申し込みができません。

  • STEP3
    修了証明書等を免許管理者に申請する

    各開設者より発行された修了証明書(履修証明書)を、免許管理者(勤務地または居住地の都道府県教育委員会)に免許状の写し等と共に更新の申請をします。この申請までを、有効期間満了日の2か月前までに行います。

現在の職業によって変わる部分は、STEP2の証明発行者(勤務する学校または以前の勤務校の校長、または任用又は雇用する可能性がある教育委員会や法人の長)と、STEP3の免許管理者(勤務地または居住地の都道府県教育委員会)です。

現在の職業によって大きく7パターンに分類されます。こちらの記事で細かくご紹介しています。
関連7パターンの新免許状所持者!あなたはどれに当てはまる?

わたしの場合は現在教職に就いていないので

  • 証明発行者…以前の勤務校の校長
  • 免許管理者…居住地の都道府県教育委員会

ということになります。

ここからは「STEP2 受講対象であることの証明をもらい、講座を申し込み、受講する」について、具体的に解説しますね。

STEP2 受講対象であることの証明をもらい、講座を申し込み、受講する

申込先の指示に従って、必要な書類を確認する

大学等によってはまずwebでの事前受講登録が必要な場合があったり、運転免許証等のコピーが必要な場合があったりと様式が大きく異なります。
資料請求やHP等でよく確認してくださいね。

わたしが申し込んだT大学で必要だったのは教員免許更新講習受講申込書というA4両面の書類一枚だけでした。これはかなり少ないほうみたいです。

複数の大学にまたがって
受講申し込みをする場合は、
特に気をつけてくださいね!

教員を辞めた人、受講対象者である証明の取得は早めに動いて!

T大学の《教員免許更新講習受講申込書》には受講者本人が記入する氏名・住所・捺印・写真の貼付・所持する教員免許状・受講希望講習の記入などに加えて、証明者が記入する欄がありました。

教員免許更新講習受講者である証明書を発行依頼する

書類の様式や名称は多少違えど、この受講対象者の証明どの大学等でも必要な項目です。

現職の場合は学校長などに「この人は現在、本学で教職員として働いています」という証明をもらうことになりますので、特段難しいものではありません。基本的には勤務校の学校長、つまり毎日のように会う人から証明をもらうだけですからね。

一方で現在教職に就いていない場合は、「この人は過去に、本学で教職員として働いていました(免許状更新講習規則第9条II①)もしくは「この人は将来、本学または本自治体で教職員となることが決まっています・見込まれます(免許法第9条の3III②または免許状更新講習規則第9条II③)という証明をもらうことになります。

教員を退職したわたしの場合は、元勤務校の校長に証明を依頼するということです。

現職教員の方と比べるとどうしても証明書の発行者とのやり取りに余分に時間がかかりましたので、早めに動き出すべきなのだと実感しました。
コロナ禍でなければ直接赴くことも選択肢になりますが、このご時世だと郵送でのやり取りになる場合がほとんどかと思います。

現在教職に就いていないからこそ、こういった情報に疎くなってしまう部分はあると思うのですが……現職ではないからこそ早く動かなければならなかったんですね。

《教員免許更新講習受講申込書》を依頼するときの例文

まずは元勤務校に電話連絡をして、免許更新に際して証明書が必要である旨を説明しました。
4月末の大型連休直前でしたが「何度も対応したことがあるから大丈夫。いつでも送ってくれていいですよ。」と優しく答えてくれました。

退職から一年以上経っているので、ドキドキしましたが……幸いなことに電話に出てくれたのがよく知っている先生だったのでとても話しやすく、ひと安心でした。

辞めた職場に電話するっていうのは
結構勇気がいるもので…

話しやすい先生が出てくれて、
正直、電話口でかなり安堵しました…

証明者記入欄以外の部分への記入を済ませた《教員免許更新講習受講申込書》と記入例が書かれた用紙をクリアファイルに入れて、さらに一筆箋に手書きで下記のような文章を書き添え封筒に入れました。

○○先生
麗春の候、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。
さっそくですが、教員免許更新講習受講に際し、教員勤務経験者である証明をお願いしたく存じます。
ご多忙のところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。
○○(自分の名前)

この例は、かなりラフだと思います。相手次第・関係性次第っていうところが大きいですね。

状況や関係性によってはもう少し詳しく書く必要があると思います。
たとえば電話の相手からさらに別の誰かに依頼するような場合や、人事異動の都合などで全く知らない人に依頼する場合ですね。

そういうときは

  • 自分(依頼主)はなのか
  • 何のために必要な書類なのか
  • いつまでに返送してほしいのか

などを明確にしたほうがいいですね。

自分(依頼主)はなのか

○○年4月〜○○年3月(常勤講師)および○○年4月〜○○年3月(専任教諭)の期間、○○科にて勤務していた○○と申します。

何のために必要な書類なのか

同封の教員免許更新講習受講申込書(計○枚)への記入および捺印をもって、教員勤務経験者であることの証明をお願いしたく存じます。

いつまでに返送してほしいのか

まことに勝手ながら申し込みの都合上、○月○日を目処に返送いただけますと幸いです。

これらの要素を入れるとなるとA4一枚分ぐらいになりますから、パソコンで作ってしまってもいいと思います。人気がある講習の場合は抽選落選の可能性もありますし、再度依頼する(使用する)ことを見越してデータとして残しておくと便利ですね。

抽選の可能性がある場合は、
「落選したら再度依頼します」
予め伝えておいてもいいですね

T大学の書類は比較的要素が少ない様式であったこともあり、一週間もしないうちに返送してもらうことが出来ました。

ちなみに対応してくれた先生によると、当時の勤務態度など詳しい情報を書くタイプの申込書もあるそうです。
そういった様式だった場合には遅くとも1ヶ月前には依頼したいですね。(でも異動等で管理職が全然知らない人だったりする場合もある気がするんだけど……どうやって書くんだろう……??)

また、わたしは使ったことがないのですが在籍証明書・就業証明書・就労証明書・雇用証明書・勤務証明書と呼ばれる形式の証明書類もあるそうです。
これらを《教員免許更新講習受講申込書》の代わりとして使える場合もあるようで、今回のT大学の申込書にも「証明書類の添付でも可」という記載がありました。

しかし、後になってこの証明書ではダメですなんて言われても二度手間ですし、オーソドックスに更新講習を実施する大学等が発行している専用の申込書を使ったほうが確実だし楽だと思います。

必要な書類を申し込みたい大学等に送付する

元勤務校から返送してもらった《教員免許更新講習受講申込書》を念のためコピーしてから、原本をT大学に送付しました。

十日ほどで講習費用の振込に関する書類が届きました。

受講料振込書を受け取り、支払う

T大学の場合は、振込期限は一ヶ月ほどになっていました。手早くお支払いしたいですね。

受講可能な状態であることを確認する

T大学の場合は、振込の三日後には受講に必要な資料やID、テキスト『新しい教育事情』が送られてきて、講習動画を視聴可能な状態になりました。

教員免許更新講習の申し込み方法オンデマンドオンラインCoLS

dotCampusというシステムが採用されており、オンデマンド講習の視聴のほか、PDF化されたプリントのダウンロード機能もありました。

教員免許更新講習の申し込み方法オンデマンドオンラインCoLS東京未来大学

いつ、どの動画を視聴したかが分かるようになっているようです。

コロナ禍における大学生の
オンライン授業を疑似体験
しているような気分になりました

こういった形で申し込み後にIDが届くタイプの講習の場合、正しくログイン出来るかどうか・動画視聴が可能かどうかをすぐに確かめてください。

「パソコンがあまり得意ではない……」という方はついつい後回しにしてしまいたくなるかもしれませんが、気付くのが遅くなるほど問い合わせがしづらくなってしまいますからね。

PDFを印刷出来ると便利

意外だったことは、テキストとは別のPDF化されたプリントが多かった(100枚近くありました)ことです。急遽自宅のプリンター用にコピー用紙を購入しました。

教員免許更新講習dotcampusプリントをダウンロードする

単にプリントを見るだけなら画面上のPDFで確認できるのですが、印刷しておいたほうが動画を視聴しながらメモが取りやすくて便利です。後からテストもありますからね。

地味に盲点でした……

申し込みにかかった期間はどれくらい?

4月末に書類を準備し始めて、5月末には受講可能な状態になりました。約一ヶ月ですね。
ゴールデンウィークを挟んでいるので、時期によってはもう少し早い場合もあるかもしれません。

ここからやっと受講の本番!なのですが、正直ここまでで結構疲れてしまいました…

コロナ禍真っ最中の今、
証明写真の撮影ひとつ取っても
いろいろと悩みました…

あとは勉強して、レポートとテストを迎えるのみ

T大学では、希望する月に試験問題が送られてくることになっています。
届いた試験を解いて、レポートを併せて提出(返送)するというコロナ禍ならではのスタイルです。

万が一合格できなかった時のこと(もう一度試験を受ける)を考えて、8月を希望しました。
二ヶ月の間に自分で時間を作って、30時間分の講習を勉強するという計画です。

STEP3 修了証明書等を免許管理者に申請する

8月に試験を受ける予定になっていますので、無事に修了出来次第、記事としてご紹介しますね。

なお講習後の修了申請の締め切り教員免許の有効期間の直前の1月31日になっているので、うっかり失効してしまわないように油断は禁物です。

たとえばわたしは教員免許の有効期間が2022(H34/R4)年3月31日なので、講習後の修了申請(STEP3)の手続きを含めて2022(H34/R4)年1月31日までに済ませる必要があるということですね。

ここまでのまとめ

今回の記事では、受講対象者である証明書の発行依頼や受講の申し込み方法についてご紹介しました。

ポイント
  • 受講を希望する大学等によって、申し込みのために必要な書類が大きく異なる
  • 証明書の発行に時間を要する場合があるので、一ヶ月ほど余裕を見ておく
  • オンラインやオンデマンドで受講する場合は、ログインや動画視聴がスムーズに行えるか、早めに確認する
  • 試験やレポートの提出期限を選択できる場合は、自身の免許状の修了申請締め切りに間に合うように決める

実際に申し込みの手順を踏んでみて、忙しい合間を縫って受講する現職の先生にとってはなかなか辛い制度であると改めて感じました。
講習選びの際に抽選が絡むともっと行程が複雑になるでしょうし、なおさらです。

内容的に受けたい講習」を選べずに「スケジュール的に受けられる講習」を選ばざるを得ない状況も多いんだろうなと実感しますし、更新講習の制度そのものへの疑問が多く話題になるのも正直頷けます。

なお、この記事は2021年6月に作成しています。
今後運用が変わる可能性がありますので、文部科学省のHP等で最新の情報をご確認くださいね。
公式 教員免許状に関するQ&A:文部科学省

他にも教員免許更新に関する記事を書いています。
ぜひ合わせてご覧くださいね。

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