- 先生や教職志望者をやさしく応援するブログ -

妊娠中の教員免許更新!講習選びの注意点は?延長は出来ないの?教員経験あり・退職済みの体験談

妊娠中の教員免許更新体験談おすすめの講習延長できない 教員免許制度
          記事内に広告を含む場合があります          
    記事内に広告を含む場合があります    

こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

教員免許の更新講習を申し込む時に妊娠中だと、いろいろと不安に感じる部分がありますよね。

  • 今は教職に就いていないけれど、更新できる?
  • 妊娠中に更新講習を選ぶ時のポイントは?
  • 妊娠を理由に受講時の配慮を受けられる場合がある?
  • 更新って今やらなきゃダメ?有効期間の延長をすることはできる?

こんな疑問を持っている方向けの記事です。

この記事では教員経験あり・退職済みのわたしの体験談として、妊娠中に免許更新をやってみて思ったことや困ったことを交えて講習選びの際の注意点をご紹介していきます。

適宜「各大学や文科省のHPでいうと、このページに載っています」というリンクを貼っていますので、必要に応じて照らし合わせながらご覧いただくとスムーズかと思います。

更新講習を受ける予定の時期に妊娠する可能性が少しでもあるなら、今回お伝えするポイントを踏まえてから受講申し込みをしておくと後々楽になるかもしれません。ぜひ最後までご覧くださいね。


教員免許更新制2022年7月1日に廃止となります。
こちらの記事は更新制がどのように運用されていたのかを知る手がかりとして、当時のままの内容で残しておくことにしました。

更新制廃止後教員免許の失効・休眠・復活については↓の記事で紹介しています。

免許更新をすることが出来る人の条件

実は、教員免許状を持っている人ならば全員が更新できるというわけではありません。

2009(H21)年4月1日以降取得の新免許状所持者の場合は、ざっくりと次の3つのいずれかに当てはまる人は教員免許の更新をすることが出来ます。

教員免許更新の受講対象者
  • 現職の教員
  • 過去に教員経験がある人
  • これから教員になる可能性が高い人(非常勤講師登録者など)

より詳しく言うと、文部科学省のHPには以下のように掲載されています。

(1)現職教員
(2)実習助手、寄宿舎指導員、学校栄養職員、養護職員
(3)教員採用内定者
(4)教育委員会や学校法人などが作成した臨時任用(または非常勤)教員リストに登載されている者
(5)過去に教員として勤務した経験のある者
(6)認定こども園で勤務する保育士
(7)認可保育所で勤務する保育士
(8)幼稚園を設置している者が設置する認可外保育施設で勤務する保育士
など

教員免許更新制の概要:文部科学省より

「教員免許は持っているけれど、一度も教壇に立ったことがないし今後も立つ予定がない」という人は、そもそも更新の対象とならないことに気をつけてください。

なお、教員免許が失効した場合の対処についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
関連教員免許が失効したらどうなるの?

運転免許の失効とは違って、
休眠状態になるイメージです

うさぎ先生(教員経験あり・退職済み)の免許更新スケジュール

実際のスケジュールがこちら

わたしの免許更新スケジュール
  • 2020年3月
    中学校教諭を退職

    さまざまな理由があって、30歳で退職しました。

  • 2020年4月
    コロナ禍の対面講習は怖くて様子見しました

    初めての緊急事態宣言が発令された頃です。外出を控えたい気持ちが強く、講習を申し込みませんでした。

  • 2021年2月
    妊娠が発覚

    いよいよ来年度は講習を受けなければという段階で、妊娠が分かりました。

  • 2021年4月
    講習を決定し、元勤務校に受講対象証明書の発行を依頼

    4月末に書類を準備し始めて、5月末には受講可能な状態になりました。

  • 2021年5月〜8月
    自宅で30時間の講習を受け、郵送で試験とレポートを提出

    すべて自宅で行いました。

  • 2021年9月
    修了証明書が届き、免許管理者に提出

    この行程の締め切りが、2022年1月31日でした。

  • 2021年10月
    出産

  • 2021年11月
    有効期間延長証明書が届き、更新完了

わたしは2011年度卒・2012年3月取得の免許状を持っているので、2022(H34/R4)年3月31日が有効期間の満了日です。

講習や試験を終えた証明である修了証明書を提出する期限は満了日2ヶ月前ですので、2020(H32/R2)年1月31日から2022(H34/R4)年1月31日までの期間に手続きを終えなければならないというスケジュールでした。

講習を受けられる期間には2年の猶予があるので、今思えば2020年度(妊娠前)に受講しておけばよかったのですが…
新型コロナウイルスでかなり緊張感が高まっていた時期でしたので、「来年度に頑張ればいいか」と思ってしまったのです。

有効期間満了年度の4月までに動き出す

講習一覧は文部科学省HPから閲覧することが出来ます。一覧は毎月下旬頃に更新されます。
公式更新講習の開設情報:文部科学省

8月開催(夏休み開催)の講習が多いので、3月〜4月には申し込みを意識して動き出さないと申し込めない場合が出てきます。

というのも、申し込みに用意すべき受講対象証明書という書類の発行に時間がかかる可能性や、人数枠抽選に落ちてしまう可能性も考えなければならないからです。

ただでさえ体調や時間の融通が効きにくい妊娠中に余計な手間を増やさないためにも、ゴールデンウィーク前には講習を決定して受講対象証明書の発行依頼をしておいたほうがいいですね。

ちなみに秋や冬に開催の講習もありますが、次年度に有効期間満了を迎える人向けという印象です。修了証明書の発行が1月31日に間に合うかどうかを確認してから申し込んでください。

わたしの場合は幸い妊娠が発覚してから講習を申し込むことが出来たので、体調を考慮してすべて自宅で完結するオンデマンド講習&テキスト講習のみのT大学の講習を選択しました。

「これから(受講期間中に)妊娠するかもしれない」という場合はどんな講習を選ぶべきかと判断に迷うところだとは思いますが、次の項で講習選びで気をつけたポイントを挙げていますので、参考にしてみてくださいね。

妊婦にはどの講習タイプがおすすめ?

主な講習は4タイプ

教員免許更新講習は、主に次の4つのタイプに分けて考えることが出来ます。

講習のタイプ
  • オンライン…生放送講習を自宅で視聴。日時が決まっている
  • オンデマンド…録画講習を自宅で視聴。好きなタイミングで何度でも見られるし、巻き戻しが可能。
  • テキスト…テキストが送付され、自宅で読む。好きなタイミングで学習可能。
  • 対面講習大学等に行って受講。日時が決まっている

わたしが選んだ講習は「最後のテストまで、全てテキストもしくはオンデマンド」の「30時間(6時間×5講習)の一括申し込み」です。

対面講習で受講してみたい大学があったのですが、コロナ禍&妊娠中ということで断念しました。
振り返ってみると、結果的には対面講習を選ばなくて正解だったと思っています。

時間の縛りがないオンデマンドが一番おすすめ

オンデマンドタイプであれば、録画講習好きなタイミングで視聴することが出来ます。

わたしの場合は講習を受ける時期が妊娠5ヶ月〜7ヶ月でした。
いわゆる安定期と呼ばれる時期で、つわりの時期と比べると比較的体調がよい日もありましたが、それでも座っているだけで辛いという日も多くありました。

その日の体調に合わせて横になりながらiPadで視聴したり、巻き戻し一時停止が出来たりする点も、オンデマンド講習の大きなメリットでした。

いつでも視聴できる分、「まだ大丈夫」と先延ばしにしてしまわないようにだけ要注意です。

個人差はありますが、わたしの場合は
吐きすぎて妊婦なのに体重が減ったり
トイレとベッドの往復だけで
一日が終わったりと…
正直、ここまで体調が悪くなるとは
妊娠前の想像以上でした…

実施する大学等により異なりますが、T大学の講習は20分×9本(3時間)で1講座になっていて、2講座見ると「6時間分の1講習」という仕組みになっていました。
時間が短めに区切られていることで、続きから視聴する場合も分かりやすくてよかったです。

ちなみにT大学では試験とレポートの実施月は選択することが出来たので、8月を指定しました。
出産予定日が10月末だったので出産後を指定しても間に合う計算にはなりますが、産んだ後にバタバタと試験を解いたり修了証明書の手続きをしたりすることに自信がなかったからです。

予期せぬ早産なども起こり得るとは思いますが、いずれの講習タイプであっても可能な限り出産後には作業を残さないように計画できると安心ですね。

テキスト講習は意外と大変かも

T大学の講習はオンデマンド18時間+テキスト12時間だったのですが、テキスト講習は「各自でテキストを読むだけ」そして「テキスト持ち込み可の試験」でした。

自分の好きなタイミングで受講できるというところはオンデマンドと同じくメリットと言えるのですが、吐き気がある状態でじっと文字を追うのは楽ではなかったことと、動画のように時間枠が決まっていないので学習リズムが作りづらいことがデメリットでした。

さらにテキスト持ち込み可の試験ということで、内容的にも少し物足りなく感じる部分があって…もし選べるのであれば、30時間すべてオンデマンド講習にしたかったなと思いました。

オンライン授業と対面講習は、おすすめしません

一見オンデマンドと同じように思えてしまいますが、オンラインと書かれた講習だといわゆる生放送の可能性が高いです。Zoomなどでつないで受講するスタイルですね。

生放送タイプの講習は日時の指定がある上に、受講者側もwebカメラを起動するという条件があるケースも多いようです。
つわりで辛いから横になりながら受講…というのは難しそうですし、妊娠中は頻尿になりやすいので、一時停止が出来ないオンライン講習はなかなか辛いと思います。

対面講習のデメリットも同様です。
会場までの移動時のリスクを考えると、オンライン以上に辛そうですね。

オンライン講習も対面講習も、講師や他の受講者たちと直接対話ができる双方向性がある講義という点は本来であればメリットになる部分なのですが、妊娠中の不安定な体調においてはデメリットになり得ます。

なお実施する大学等によって講習の呼称にバラつきがあるので、オンデマンド(録画)なのかオンライン(生放送)なのか、講習の概要をよく確認してから申し込むことを強くおすすめします。

講習申し込み前に確認すべきこと

「これから(受講期間中に)妊娠するかもしれない」人は、キャンセルについてあらかじめ確認しておくべき

講習選びの段階で妊娠が判明しているならば、ある程度体調を予測して講習選びをすることでしょう。

しかし受講期間中に妊娠する可能性がある人ほど迷ってしまうというか…どうしても授かり物なので、どこまで意識して講習選びをすれば?と困ってしまいますよね。

「かもしれない」のほうが
動きづらいんですよね…
せっかくなら対面講習で
受講したいし、とか…

妊娠するかどうかはコントロール出来るものではないことと、妊娠中の体調には大きく個人差があることが大前提にはなりますが……
つわりの時期(妊娠2ヶ月〜4ヶ月)に対面講習やオンライン講習を何時間も集中して受講することは困難だと思います。

そこで、「これから(受講期間中に)妊娠するかもしれない」人は、あらかじめ講習のキャンセルについて調べておいてください。

体調次第では対面講習をキャンセルして、同じ時間数のテキスト講習に申し込みし直しする…なんていう可能性も出てくるからです。

妊娠中はいつ体調が急変するか
分かりませんし、
急に入院が必要になる場合も
十分に考えられます!

キャンセル方法は大学等によって異なりますが、受講料や教材料の一部又は全額が返還されたり、キャンセル料が必要になったりする場合があります。

たとえば白鴎大学では8日以上前まではキャンセル料として2000円、7日前〜前日であれば受講料の半額が必要です。
山形大学では5日前までキャンセルによる返金が可能、それ以降は返金不可となっています。

キャンセルの手続きそのものについても、書面だったりWebだったりと大学等により大きく異なりますので、必ず事前確認をしておいてくださいね。

妊婦に対して受講上の配慮を実施している大学等も

大学等によって、妊娠などにより受講上の配慮を希望することが可能である旨が明記されている場合があります。

たとえば筑波大学では試験の別室受験や出入口近くの座席指定など、鳥取大学では自家用車の乗り入れや控室の用意などが可能な場合があるようです。

いずれも受講の2ヶ月ほど前までに相談が必要とのことですが、ありがたい配慮ですよね。

ご自身の体調に合わせて、こういった配慮が明記された大学や講習を選ぶことも一つの方法です。

どの講習でも、受講後に絶対忘れてはならないこと

せっかく講習を受けても、修了証明書を免許管理者に提出することを忘れてしまうと更新されません
「うっかり失効」と呼ばれているものです。

講習や試験を終えた証明である修了証明書を提出する期限は満了日2ヶ月前ですので、有効期間満了年度の1月末までです。必ず提出してくださいね。

現職の場合は勤務地の、現職ではない場合は居住地の都道府県教育委員会が提出先です。

有効期間の延長が出来るのは現職のみ

現職であれば有効期間の延長が可能

実は、現職教員であれば
有効期間の延長が可能なのです。

指導改善研修中や次のような理由がある場合は免許状更新講習を受講・修了することが困難であると判断され、申請を行うことによって相当の期間を定めて免許状の有効期間を延長(修了確認期限を延期)することができます。

(1)休職中であること
(2)産休、育休、病気休暇、介護休暇中であること
(3)地震、積雪、洪水その他の自然現象により、交通が困難となっていること
(4)海外派遣中であること
(5)専修免許状取得のための課程に在籍していること
(6)教員となった日から有効期間満了日(修了確認期限)までの期間が2年2ヶ月未満であること
など

教員免許更新制の概要:文部科学省より

産休や育休を取得しているという事由があれば、有効期間を延長することが出来るんですね。

ただし上記事由に当てはまる人の中で、さらに次の条件にも当てはまる人が申請可能となります。

新免許状所持者の場合

(1)教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭及び講師
(2)校長(園長)、副校長(副園長)、教頭、実習助手、寄宿舎指導員、学校栄養職員、養護職員
(3)指導主事、社会教育主事
など

教員免許更新制の概要:文部科学省より

旧免許状所持者の場合

(1)教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭及び講師
(2)校長(園長)、副校長(副園長)、教頭
(3)指導主事、社会教育主事
など

教員免許更新制の概要:文部科学省より

ざっくり言うと、現在教員免許を利用した仕事に就いている人であることが延長の条件です。

たとえば今のわたしは現職ではないので、対象外ということになります。
病気休暇や妊娠という事由があっても条件を満たさないので、有効期間の延長は出来ないということになりますね。
公式【4】有効期間の延長(修了確認期限の延期)についてQ&A:文部科学省

免許状
…2009(H21)年4月1日以降に取得した免許
免許状
…2009(H21)年4月1日より前に取得した免許

コロナ禍を理由に延長は出来る?

同じく現職であれば、コロナ禍を事由に有効期間を延長することが出来ました。

しかしながらわたしは2020(R2)年3月に退職しているので、こちらも対象外になってしまいました。
関連要確認!新型コロナウイルスを理由に教員免許更新を延長できるのは、限られた人だけです!

おわりに・まとめ

今回は、妊娠中の人やこれから(受講期間中に)妊娠するかもしれない人に向けて、講習選びで気をつけるべきポイントについてご紹介しました。

講習選びのポイント
  • 有効期間満了年度の4月までには希望する講習を決定しておく
  • 体調が悪くても受講しやすいオンデマンド講習がおすすめ
  • 講習のキャンセル方法受講上の配慮の実施有無についてあらかじめ確認しておく
  • 「修了証明書を免許管理者に提出」を絶対に忘れない

2022年度に予定されている更新制廃止の法改正に注目が集まっていますが、今のところは具体的にいつから更新が不要になるかはまだ明らかになっていません。

妊娠やコロナ禍に限らず校務との兼ね合いなどにより消極的な理由で講習を選ばなければならない状況にある人が多すぎて、更新制そのものに歪みが生じていましたもんね。
実際、面倒だからと更新そのものを諦めてしまう人も少なくなかったのだとか…。

「内容的に受けたい講習」より
「受けられる講習」
なってしまうんですよね…

なお、この記事は2021年11月に作成しています。
今後運用が変わる可能性がありますので、文部科学省のHP等で最新の情報をご確認くださいね。
公式 教員免許状に関するQ&A:文部科学省

このブログでは、他にも教員免許に関する記事を書いています。
合わせてご覧いただけると嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました