
こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
- 美術室にどんな本を置けばいいのか分からない
- 授業や部活で役立つ、生徒用資料になる本を知りたい
- 生徒へ説明するときに、教師の補助として役立つ本を知りたい
こんな方におすすめの記事です。
権利の都合上中身は載せられないのが残念ですが、生徒用資料の一例として、現役の先生やこれから先生を目指す人に役立ててもらえると嬉しいです♪
今回は《技法書》にまつわる本
動物編・描き方と同じく、描き方系の本には色々と思うところがありまして・・・。
どの段階で見せるか
様々な資料を見て、テーマが決まったり、こういう作品にしたいというイメージが固まったり・・・。その後に見るものとして渡していました。
もちろん自ら先に見る生徒もいましたが、描きたい気持ちがないとただテクニックを追うだけになってしまって、いわゆる描き方系は効果が半減する気がしています。逆に言うと練習のための模写には、適していると思います。
テクニックは必要?
テクニックを追うだけでは効果が半減する・・・とは思っていますが、テクニックがないと、イライラして、描きたい気持ちが半減していくこともまた事実だと思っています。「美術が苦手」だと思っている生徒にとっては尚更でしょう。
「描きたいけど描けない!こんなんじゃ水面に見えない!でもどうやったら水っぽくなるのかわからない!!もういい!!!(ノ`Д´)ノ」と、投げ出してしまう感じですね。
思考が自由になる
わたし自身は決して優秀な生徒ではなかったので、テクニックがない苦しさも美術の先生界の中では割と味わっている方だと思います。「このテクニックを、学生のとき知っていれば・・・!」と、先生になってから思うこともしばしばありました。
テクニックが必須だとは思いません。でも、テクニックがあることで思考が自由になる部分があるのは事実だと思います。「こんなアイデア思いついたけど、どうせ描けないし・・・」は、もったいないですからね。
カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~ /ジェームス・ガーニー /ボーンデジタル
タイトル通り、光と風景との関係性や光により変化する色合いについて詳しく書かれています。
ぱぱっと見て実践で描こう!というタイプの本ではなく、解説文をよく読んでようやくなるほどなぁとなるタイプの本です。美術に苦手意識がある生徒には、読むタイミングによっては難しく感じてしまって逆効果かもしれません・・・。技法とともに知識を得る感じです。
写真みたいな絵が描ける色鉛筆画 /三上詩絵 /日本文芸社
美術に詳しくない人ほど、「油絵はすごい。色鉛筆はなんだかチープ。」と口にする気がします。保護者も、他教科の先生も。油絵だからって何でもかんでもすごいということはないし、入手が容易だからってイコール色鉛筆がチープなわけではないのですが・・・なんでそうなっちゃうんだろう?と常々思っていました。
これは生徒の立場からすると、「色鉛筆なんかで描いてるの?と親から笑われた」となるわけですよ・・・。
それが先生としても悔しく感じて、多くの人がイメージする柔らかい表現とはまた違った方向で色鉛筆もいろいろできるよ!すごいよ!と言いたくて導入しました。
風景の中の水を描く /ジョー・ダウデン /マール社
水面だけではなく岩や植物の映り込みなど、とにかく水にこだわって作られている一冊です。
中学生にとってはやや難易度が高いのですが、「水を描きたい!」と言う生徒はデフォルメ的に表現したいというよりはリアルさを追求する傾向が強かった気がしますので、合致していたと思います。
いちばんていねいな、自然の風景の水彩レッスン /小林啓子 /日本文芸社
木々や岩、川など・・・幅広く自然の風景が扱われています。
なるべく複数の選択肢を与えたいというところがあるので、上の本に加えてこの本や男鹿さんの本も見せていました。
いちばんていねいな、花々の水彩レッスン /星野木綿 /日本文芸社
上の本と同じシリーズです。
花の写真集と一緒に見せて、葉と葉の重なり具合や花びらの薄さの表現などをどこまでリアルに表現するかを一緒に考える際に便利な本でした。
おわりに・美術の先生としての指導上の留意点
著作権に関する指導も重要です。本に載っている写真や絵を自分の作品としてそのまま描いてしまわないように・・・という指導を欠かさないように気をつけていました。
ポーズや情景をそのまま描くのではなく、あくまでもこのポーズや情景はヒントであること、《自分の中から主題を生み出すこと》の大切さと尊さを伝えていました。
「先輩はこの本を参考に、こんな絵を描いていたよ」と過去の生徒作品を照らし合わせて説明すると、《自分の中から主題を生み出すこと》が大変だけど素晴らしいということに納得してもらいやすかったです。先輩たちに感謝ですね♪
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