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【教育ニュース】オンライン授業・映像授業の特徴と実施状況についてまとめました

コロナ禍COVID-19禍中学校高校大学オンライン授業に関する教育ニュースまとめ教育系ニュース

こんにちは。元美術教師のうさぎ先生です。

このカテゴリーでは教育系ニュース記事を読んで、教育現場にいた頃を思い出したり、離れた場にいるからこそ客観的に見えたりしたことを、うさぎ先生なりにまとめていきます。

今回の話題は、「オンライン授業について」です。

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緊急事態宣言が出されて・・・

わたしは2020年3月に退職しましたが、急な一斉休校で、生徒ときちんとお別れができませんでした。

そして寂しい気持ちを抱えたまま新年度になり、今度は緊急事態宣言が出されました。

始業式を迎えた学校であっても、その後休校しているところがほとんどなのだとか。

うさぎ先生の元勤務校は、始業式も入学式も中止になったそうです。
昨年度受け持っていたのは中3なので、彼女たちは卒業式も入学式も両方ともなくなってしまいました。
寂しいけれど・・・仕方がないけれど・・・きっともやもやしているんだろうなぁと、今のわたしの立場では心配することしかできません。

そんな状況下でさまざまな報道を聞きながら、教育現場について気になることはいろいろあるのですが、今回は話題の映像授業について情報を整理していきます。

そもそも、映像授業って?

映像授業といえば、東進ハイスクール

わたし自身は通ったことはありませんが、有名な塾ですね。

映像授業の開始は、なんと1991年なんだとか。
約30年前・・・先駆けですね!

映像授業のメリット

こちらに、東進の歴史についてわかりやすく書かれたインタビュー記事がありました。

いくつか引用してご紹介しますね。

「いつでもどこでも誰にでも最新にして最高の教育を」という目標を掲げてスタートした東進は、いち早く授業を映像化し、全国どこの地域にいても、生徒さんがいつでも自分専用の個別のブースで受講できるシステムをつくりました。

http://www.iwasakishoten.site/entry/toshin/eizou

人気講師の授業を定員で断られることがない、というのはいいですね。
「部活を途中で切り上げて塾に行かないと・・・」なんてことも、減りそうです。

また、録画された映像だからこそ、見たいところまで巻き戻したり、一時停止したりできるという意味では、生徒が主体的に学べるような気がします。

でも、こんな困難もあったそうで。

講師にとっては自分が行っている授業をいくらでも複製されたら困るという権利に関する問題がありましたし、また、講師と言えど万が一にも間違えたことを教えてしまったら、それが永久に残ってしまうという不安もあったと思います。そういった不安を一つ一つクリアして実現にいたりました。

http://www.iwasakishoten.site/entry/toshin/eizou

たしかに、普段の授業でももちろん気をつけて発言しているとはいえ、それが形として残るとなると話はまた違ってくるなぁと思います。

・・・と、途中まで読んで気付いたのですが、世の中で使われる映像授業という言葉には、2つのタイプがあるようです。

2つのタイプ

①講師が、別の場所から複数生徒に対して生放送をする。生徒と会話可能。
②講師が予め録画した映像を、一方的に流す。生徒は自分のペースで視聴可能。

それぞれに異なるメリットがありますね。

東進さんでは、当初は①であったけれど、より生徒のペースに合わせた②に移行していったそうです。
生身の講師も塾にいるから、②の映像を見た上で質問ができるんですね。

自分にぴったりの授業を自分のペースで個別に受講できるということが最も大きな変化だったと思います。通常の予備校の授業は週に1回と決まっていて、自分がもっと先に進みたいと思っても、カリキュラム通りに進んでいきます。例えば、高3の生徒が、高1英語を復習したいと思っても、カリキュラムに沿うと1年かかってしまい、受験までにとうてい間に合いませんよね?
しかし映像による授業ならば、今日の続きを明日、そして明後日と毎日受講することもできるので、通常1年かかる授業を1ヶ月でマスターなんてこともできるんです。

http://www.iwasakishoten.site/entry/toshin/eizou

自分のペースや目標をある程度把握できている生徒にとっては、とても便利なツールだと感じました。

授業を録画する②のタイプ

②講師が予め録画した映像を、一方的に流す。生徒は自分のペースで視聴可能。

NHK講座も②のタイプ?

NHKのEテレで放送されている『高校講座』や道徳教材の『がんこちゃん』も、②のタイプに当てはまるかなと思います。
自分(生徒)の意見を代弁してくれるような《よく質問を投げかけるキャラクター》や《生徒役の役者さん》がいることが、東進の映像とは少し違いますね。

公式HPには、放送スケジュールが掲載されていました。

 
NHK高校講座美術1
 

PDFから印刷しておけばネット環境がない生徒でも放送スケジュールを把握できるし、ネット環境がある場合は、このページからそのまま視聴できます。

元勤務校でも3月末の時点で、《全生徒に100%ネット環境があるとは限らない》というところが課題になっていました。

ユネスコ=国連教育科学文化機関は21日、世界で休校の影響を受けたすべての子どもたちのうち、43%にあたる7億600万人は自宅にインターネット環境がないという推計を発表しました。またおよそ半分の8億2600万人は、家庭にパソコンがないとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200423/k10012401501000.html

世界の話なので、参考程度ということで。
こういった点ではこのNHKの講座のようなテレビでもネットでも同じ映像を見られることは、メリットとして挙げられますね。

②のデメリットを考える

《自分で選ぶ》のハードル

自分のペースで見られて、自分の興味に合わせて順番も変えられて・・・というのはとても便利そうに思えます。
しかし逆にいうと、明確な目標はなくなんとなく視聴している生徒にとっては、工夫すべきポイントがわかりづらいのかもしれないなぁと感じました。

「見たけど・・・。で??」って。

そこから、手持ちのドリルでいうとここだなとか、次はこの映像を見ようとか・・・。
選ぶという行動には主体性が求められるのです。

家庭学習を想定すると

「うちの子、映像授業見てるけど、成果が出ないなぁ」という場合って、この《選ぶ》ことを練習している段階なんじゃないかなぁと、わたしは考えています。

保護者の方にとっては映像授業を見るだけ・・・と思われるかもしれません。
しかし、《その後の行動が大事だ、という視点》を持って見てみると、子どもへの声かけがちょっと変わってくると思います。

「もう!映像ばっかり見て!」じゃなくて、「次は何見るの?なんでそれを選んだの?そうなんだ、だから選んだんだ。なるほどねー」「映像と同じような単元、自分で見つけたんだ。すごいね!」という会話になればいいなぁって感じます。

教師側からアクションができないのは、もどかしい

通常の対面授業であれば、教師は相手の理解度や雰囲気に合わせて声の調子を変えたり、同じことを繰り返し説明したりすることが可能です。
しかしこの②の場合は教師からは一方的に、同じものを提供することしかできません。

「ちょっと巻き戻して、この30秒間の説明をもう一回見たらわかるのに」というチャンスを、1人で視聴している生徒は逃してしまう可能性が非常に高いです。

もう、想像しただけで、ヤキモキします(笑

それを防ぐために、東進の教室には生身の講師が居るのだと思います。

大きくまとめると

教える側と教わる側とが、双方向性を持った会話ができないことがデメリットと言えそうです。
映像に加えて、家族や生身の講師のサポートがあれば、ある程度は払拭できそうです。

今話題なのは、①の生放送タイプ

①講師が、別の場所から複数生徒に対して生放送をする。生徒と会話可能。

オンライン授業

緊急事態宣言後の休校中に話題なのは、この①の方法だと思います。

映像授業というよりは、オンライン授業と呼ばれているようです。

双方の様々な苦悩

Twitter等に、様々な意見が出ていました。

教わる側の苦悩

たしかに・・・この様子だと裸婦画も映せないのかも?
パスワードが必要な番組だけは解禁されたり、個別の申請で解禁されたりしていくのでしょうか。

先生側は、(職場には入れないのかもだけど)仕事モードになってからの配信かもしれないけど、生徒は自宅ですもんね・・・。
オンライン会議やZoom会議の需要で上半身の服だけ売れ行きがいいなんてニュースがありましたが、大人だけの問題ではありませんね。

好きな子の部屋が映っちゃったりして・・・とか考えると、思春期にはそわそわしてもう授業どころじゃないよね。なんて思ってしまいます。

そして、こちらは保護者の方の意見です。

他の生徒の動きを見せあうという場面を教師側が意識的に作らなければ、低年齢層など、言葉での状況把握が難しい場合には、手が止まってしまうかもしれません。

でも、他の子にノートを見られたくない!という生徒もいるでしょうから・・・バランスが難しいですね。

教える側の苦悩

直接対面できないからこそ、よりわかりやすく、もうちょっとこういう工夫を・・・とついつい思ってしまうというお話ですね。
また、学生だけではなくその家族も閲覧するかも・・・と思うと、また違った工夫を考える必要性があるかもしれません。

これまで板書タイプだった先生がこれを機にPowerPointに切り替える、ということも起きているようです。

文部科学省の調査では、全体では8割の大学が何らかの形でオンライン授業の実施を決めたり、実施を検討したりしているということです。

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/428098.html

8割!

小学校〜高校に比べると、大学は早いようですね。
とはいえ、取り組みがスムーズに進んでいるわけではないようです。

そもそも日本の大学の中で、こうした授業に取り組んだことがある大学は、25%にとどまるという実状があります。

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/428098.html

4分の1ですね・・・。

ほとんどの大学は、すべての学生を対象にオンライン授業を行うことは想定していませんから、サーバー自体がそれを前提とした整備がされておらず、容量オーバーでトラブルを起こすことを懸念する声があります。

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/428098.html

その4分の1の大学であっても、すべての学生を対象にとなるとやはり想定外なのでしょう。

教育実習は受け入れ先の小中学校、高校の休校が続く中で、1学期中の受け入れの目処は立たない状況です。いずれもオンラインでは行うことができません。ほかの授業を先に行うことにも限界があり、早くも答えに行き詰まっています。

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/428098.html

教育実習や理工系の実習など、学生が自宅で・・・というわけにはいきません。

ここで気づいたことは、大学の情報が多いなぁということ。学生自身がTwitterなどで発信するから、というところもあるのでしょうね。
小学校〜高校では、どうなんでしょう。

小学校〜高校の状況

文科省のデータです。

新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について(令和2年4月16日時点)PDF

教科書や紙の教材を活用した家庭学習は100%
それに対してテレビ放送を活用した家庭学習(NHKなどかな)が24%

そして同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習は、なんと5%です。

教科書を配布できていない学校の割合も、同じく5%とのこと。

これが4月21日現在の情報でした。
そしてこの記事を書いている間に、こんな情報がアップされました。

今年度中に実証研究に着手し、将来的に教員が作問・出題から成績評価まで活用できる環境づくりを目指す。

https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20200427-OYT1T50020/

実用化されるのはいつになるのかわかりませんが、どんどん動きが進んではいるようです。

COVID-19前に、他教科の先生と話したこと

先生の役割ってなんだろう?

この事態になる前に、デジタル教科書の導入を機に「先生なんて、もういらなくなっちゃうんじゃないかなと思う」と仰る先生が複数いました。

その時はまさかこんなことになるとは想定していなくて・・・。
②のイメージの映像授業という意味でした。
「ロボットが、AIが、先生になっちゃうんじゃない?」という感じですね。

わたしは美術科なので5教科の先生とはまた勝手が違うのかもしれませんが、改めて考えてみました。

生徒を観察できなくなる?

もちろん、決まったカリキュラムを進めていくのですが、生徒の様子を相当観察していると思います。
描いたり作ったりする表情から、変化がわかる機会とても多いのです。美術は情操教育だから余計かもしれません。

そこには今抱えている悩みがあったり、過去のトラウマがあったり。
もちろんよい変化もあって、これまで見たことないようなキラキラした目で粘土をこねていたりとか。
こちらのちょっとした例示で、スッと理解した表情に変化する様子を見られたりとか。

美術とは直接的に関係のないことであっても、担任と連携してサポートに繋げていく場合もありました。

うさぎ先生:「今日の授業中、いつもと表情が違っていて・・・。様子見てみてください。」

A先生:「終礼で声かけてみたら、実は家族と大喧嘩してたみたい!」

と分かったり。

B先生:「今度の合唱コンクールのプログラム、表紙誰がいいかなぁ?」

うさぎ先生:「あ、そういえばこないだ◯◯ちゃんがこんな絵を・・・」

B先生:「え!意外!教室では見せない姿です。」

なんてこともありました。

スキルを磨きにくくなる?

美術には、共通する正解がありません。
生徒の中にある正解を一緒に探し出すような教科特性がありますので、その場の雰囲気を共有することや双方向性を持った会話は大切だなと思います。

そこからどう動くかはその先生次第ですが・・・。

これが映像授業になって観察する・接する機会が少なくなると、先生のスキルを磨くことも難しくなるのではと予測します。

筆運びとかボンドの塗り方とか、テクニック的な部分で導入の一部に動画を使うことは効果的だと思います。
しかしフルとなると、学校そのものの存在意義の話になってきますよね。

おわりに

「学校に通わず、塾だけでいいんじゃない?」とか「通信制の学校ばっかりでいいんじゃない?」とか。
こうなるとなかなか壮大な話題です(^ x ^;)

まずはオンライン授業について、これからもアンテナを張っておこうと思います。

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