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授業や部活動でLINEスタンプを作りたい!販売は可能?誰のアカウントで?注意点と実例をまとめました

学校の授業でLINEスタンプを作りたい先生が気をつけること収益の使途 学校の先生
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こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

美術の授業や総合的な学習の時間、あるいは部活動などでLINEスタンプ制作に取り組んでみたい!と考える先生は多いと思います。

ただ、気になってくるのは授業等で作ったスタンプって実際に使えるの?販売することは可能なの?というか販売してしまっていいのか?という部分ですよね。

生徒からしても…
せっかく描くんだから、
もちろん使いたいはず!

今回の記事では「LINEスタンプ制作を授業や部活動で扱い、販売する」場合において、気を付けるべき点事前に確認すべき点、そして実際に作成している学校事例について詳しくご紹介していきます。

  • 授業(美術・図工・総合・情報)
  • クラブ活動(美術部・マンガ研究部・コンピューター部)
  • 文化祭などの学校行事・特別活動

このような場面でLINEスタンプ制作を扱ってみたいなと思っている方は、ぜひ最後までご覧くださいね。

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LINEスタンプ制作を通じて身に付けられる力

LINEスタンプ制作を通じて身につけられそうな力を、中学校美術の指導案を前提に考えてみました。

LINEスタンプ制作のねらい例
  • 複雑なガイドラインを読み解くことで、デザインが世の中に与える影響について知る【美術への関心・意欲・態度
  • 伝えたい内容に合わせて色や形を工夫し、効果的に使う【創造的な技能
  • スタンプが必要とされるコミュニケーションの場面に関心を持ち、想像を膨らませる【発想や構想の能力
  • 互いのスタンプを鑑賞し、作者の意図と創造的な表現の工夫や伝達性を感じ取り、 自分の価値意識をもって味わう【鑑賞の能力

わたし自身、もし美術教師を続けていたら、授業に取り入れてみたかった題材の一つなんですよね。

40人クラスなら一人一個平塗りデザイン画で共同制作にできそう…とか、美術部の活動で季節のテーマを決めて…とか、想像するだけで楽しいです。

最近では教師用・生徒用共にパソコンやタブレットを使える環境の学校も増えてきていますし、「LINEスタンプ画像の制作」自体には以前ほど困らないと思います。

ただ、そのLINEスタンプを販売するとなると、さまざまなハードルが生じるんですよね。

LINEスタンプを作るツールの選び方

描いたLINEスタンプを登録するためには、いずれかのツールが必要です。

①LINEスタンプメーカー
②LINEクリエイターズマーケット

で作れるのはスマホアプリ上で写真などを加工して作成するスタンプで、誰でも手軽に作ることができます。

あらかじめ搭載されたフレームやステッカーでデコることも可能なので、オリジナリティが少なくても成立するんですよね。

今回のように「美術の授業」や「美術部の活動」として想定されるのは自分(生徒)自身で描いたイラストなどを使ったスタンプかなと思いますので、オリジナリティを重視したの方法になりますね。

というわけでここからは、生徒自身で描いたイラストなどを使ったスタンプ販売可能な状態にすることを前提として進めていきます。

①と②の違いをもっと知りたいという方は、別の記事で解説していますのでご覧くださいね。

LINEスタンプ制作の規定

制作にあたって最低限気をつけるべき点を簡潔にまとめると、こんな感じです。

  • サイズは横370px × 縦320px以内
  • 8/16/24/32/40個のいずれかで1セット
  • 日常会話やコミュニケーションで使いやすい内容のもの
  • 公序良俗(モラル)に反しないもの
  • 第三者の著作権や商標権を侵害しないもの

必要な個数は8の倍数になっていますが、40個揃えようと思うとたとえ美術が大好きな生徒であっても至難の業ですので、個人の制作であれば8個完成を目指すのが現実的です。

買う側にとっては40個1セットが
一般的だと思うのですが、
描く側にとってはけっこう大変!

LINE公式にスタンプ作成ガイドラインのページがあるので、まずはここを生徒に読み込ませる・理解させるところからスタートしてもいいですよね。

なぜこんなルールがあるのか?なぜこの表現は禁止されているのか?と考えることは、デザインが世の中に与える影響を知るという学びにもなります。

LINEスタンプの登録に必要なもの・学校としてのハードル

LINEスタンプを実際に販売するためには、これらが必要です。

  1. パソコンorタブレット
  2. LINEのアカウント
  3. 売上金の振込用口座
  4. 何らかのお絵かきソフト

これらの必要なものが、授業や部活動として取り組む場合にどういったハードルになってくるのかについて解説していきますね。

1.パソコンorタブレット

スタンプを登録・管理するwebサイト「LINEクリエイターズマーケット」は、基本的にパソコンでの閲覧を前提に作られています。横画面なんですよね。

初めてのLINEスタンプ作りクリスタLINEクリエイターズマーケットマイページ

スマホからでも登録作業やログインは可能ですが、表示が小さくて分かりづらいのでパソコンやタブレットの方が見やすいかなと思います。

授業や部活動で扱う場合においては
むしろスマホ前提じゃない方が
先生としては助かりますよね。

2.LINEのアカウント

「LINEクリエイターズマーケット」に登録するためには名前住所の登録はもちろんのこと、LINEアカウントとの連携が必要なんですよね。

以前は不要だったという話もあるようですが、2023年6月現在は必須条件になっています。
公式LINE CREATORS MARKET マニュアル

学校で取り組む場合に問題となってくるのは、誰のLINEアカウントを使うのか?という部分です。

誰のLINEアカウントを使う?
  • 授業担当の先生
  • 美術部の顧問の先生
  • その他の先生
  • 学校公式
  • 生徒自身

この点は次の項目の売上金の振込用口座をどこに(誰に)紐付けするか?という部分にも関わってくる大きな問題なので、学校内の他の先生(管理職)ともよく相談の上で決定してくださいね。
(LINEアカウントの持ち主=ログインできる=振込用口座情報を閲覧可能)

ちなみにスタンプを買う人に作者のLINEアカウントがバレてしまうということはありませんので、その点はご安心ください。(そうでなければ、本職がイラストレーターの方などはLINEを全世界に公開していることになりますからね…!)

先生のLINEアカウントにする場合

管理という面では、授業や部活を直接扱う先生自身のLINEアカウントにするのが楽です。

スタンプには販売期間を設けることができるので、「今年度中」などにしておけば、先生の転勤があってもさほど困らないかな?とは思います。

ただスタンプの作者名(クリエイター名)は1アカウントにつき一つだけになるので、その点には注意が必要です。

おそらく「○○中学校美術部」や「△△小学校の図工」など、団体の名前を付けるということになりますよね。

これはスタンプの作品としての著作権は誰が持つのか?といった話にもつながります。

もし、先生ご自身がすでに
スタンプ作家
であった場合、
生徒作品と同じクリエイター名

なるのは困る…などの問題も;;

生徒のLINEアカウントにする場合

もし生徒自身のLINEアカウントにすると、生徒にとっては説明文や画像の編集が容易になり楽になりますが、教師側としては点検・管理が煩雑になります。

作者名(クリエイター名)を生徒自身に委ねられるので、たとえば美大を目指す生徒が取り組む場合は将来的に自分(生徒)自身のイラストレーターとしての実績として残してあげることが出来るところが魅力です。

スタンプの著作権を持つのも生徒自身っていうことになりますよね。

スタンプを文化祭の企画にして、
収益で△△に寄付しよう!だと
この方法は煩雑になりそう…

3.売上金の振込用口座

前述のLINEアカウントとも関連してくる部分です。

LINEスタンプの売上は、銀行振込またはLINE Payで受け取ることが出来ます。

売れるたびにもらえるわけではなくて、売上が1,000円以上になると受け取りの申請ができるという仕組みになっています。

ですので、売上が999円までの時には売上金を受け取ることが出来ないんですよね。

今回は学校の授業や部活ということで、売上金の使途としては然るべき団体への寄付であったり設備購入部費への充当などが想定されるかと思いますが、そもそもお金を受け取るためには1,000円以上を売り上げなければならないのです。

そして売上と言いつつ、このスタンプ作家の手元に残るお金は正確には分配額と呼ばれていて、スタンプが売れたとしても作家が全額もらえるわけではないんですよね。

なお、120円(50コイン)の
スタンプが売れた時の
分配額約31円ですので…

33個以上売る必要があります

その上、銀行振込の場合は送金手数料が495円かかってしまいます。これも痛手なんですよね。

こういった部分が複雑なので、授業内・部活動内ではあくまでも「スタンプ画像を制作するところまで」で区切ってしまうことも選択肢の一つだと思います。

画像データさえあれば生徒や保護者のほうでLINEアカウントを連携して販売するという作業は可能ですし、販売するかどうかをご家庭に委ねることも出来ますよね。

少しでも収益があるということは、税金なんかも関わってきますから…。

テーマ設定によっては「販売して
売上金を寄付するところまで含めて
完結する
」場合もありそうなので、
評価の基準をどこにするかを含めて

教師側が事前に熟考すべき部分です。

あわせて、複数人での共同制作スタンプにする場合は著作権的な意味以外にこういった収益の面で話がややこしくなってくるということも、先生側が事前に知っておくべきでしょう。

4.何らかのお絵かきソフト

生徒それぞれの手元にある「お絵かきソフト」でスタンプ画像を制作出来る環境が理想的だとは思いますが、学校のパソコンやタブレットのすべてに導入するのは困難である場合も多いですよね。

生徒がアナログ(絵の具、コピックなど)で描いた作品をスキャンして、教師側でお絵かきソフトを使って明度やサイズの調整をおこなうことも可能です。

わたし自身はスタンプ作成にCLIP STUDIO PAINT PRO を使用しています。
通称クリスタと呼ばれているお絵かきソフトです。

2023年のアップデートで購入方法がややこしくなってしまったのですが、常に最新版にする必要がないのであればCLIP STUDIO PAINT PRO (Ver.2.0買い切り版)は5,000円で購入可能です。

クリスタには無料体験版があるので、まずは先生が試してみるのがおすすめですよ。

サブスク版・買い切り版など詳しく違いを知りたいという場合は、別の記事で解説していますのでご覧くださいね。

クリスタの他には、学生さんには
アイビスペイントも人気です。
時間制限付きで無料で使えるのだとか。

先生が事前に考えること①:売上金の使途はどうする?

寄付、設備購入、部費への充当など

前述の「売上金の振込用口座」の項目でも少し触れましたが、今回の場合は売上金の使途としては然るべき団体への寄付であったり設備購入部費への充当などが想定されるかと思います。

こういった理由で活動する分には私立学校は比較的柔軟な学校が多いのですが、公立はいろいろと手続きが複雑だと聞きます。

状況は異なりますが先生自身がスタンプを作る場合にも副業扱いになるから、公立の先生はややこしいんだとか…。

学校の規則によっては、
生徒が収益を得る=アルバイト
的に捉えられる可能性もある?
他の先生によく相談してから
実行する
ことをおすすめします!

生徒自身に還元できる?

ゲームもスタンプも、「無料」のものが多い世の中ですよね。

個人的には、無料である程度いろんな経験が手に入る世の中において「このスタンプにそれだけの価値(収益)があるという喜び」を生徒に実感させることも学びの一つだと思うんです。

もちろん売れることが全てではありませんが、「お金を出して買ってもらえたんだ」というのは自信につながりますよね。高校生などで、本格的に美術系進路を考えている生徒なら尚更です。

そういう意味では生徒自身に収益が還元されたらいいなぁと考えてしまう部分もあるのですが…

当然「売れないスタンプ」も出てくるわけなので、複数の生徒を相手に提供する「授業」や「部活」においてはこの考え方は切り離したほうがよさそうだなと感じています。

画塾絵画教室ならアリかも。
だったら尚更、先生の役割としては
「画像の制作」までにしても

よさそうですね。あとはご家庭で…

収益を受け取らずに進めることは可能?

売上金の振込用口座が未登録でもスタンプ販売自体はできるので、ある種の逃げ道と言いますか、収益を受け取らなければよいのでは?という人もいらっしゃるかもしれません。

ただ発生はしてしまっていますので、「よい」と思うかどうかは人(学校)によって判断が変わりそうです。

何より収益の使途を決定せずに企画を進めてしまうのは、授業や部活動として取り組む場合においてはテーマ設定の軸がブレてしまうので好ましくないとわたしは思います。

ちなみに、スタンプを販売せず作者自身や周りの人だけに配布(無料)して使うことはできません

クリエイターはあくまでもLINEのサービスを使わせてもらっている立場になるので、たとえ自分で描いたスタンプであっても、自分も購入しなければ使えないんですよね。

120円(50コイン)のスタンプが売れた時の分配額は約31円ですので、残りのお金はLINEに支払っているということです。

先生が事前に考えること②:LINEを使っていない生徒への配慮

「教え子全員がLINEを使っていて、LINEスタンプを知っている」という前提で取り組んではなりません。

LINEは多くの人が使っているコミュニケーションツールですが、生徒が必ずしもLINEを使用しているとは限らないんですよね。

スマホを持っていない生徒だっていますし、中には子どもをSNSやスマホに近づけたくないという方針家族全員がSNS未使用のご家庭も十分あり得るでしょう。

もしかしたら「LINEスタンプ制作」に対して強く反対なさるかもしれません。

クラスや部員の状況によっては「LINEスタンプ制作」が馴染まない可能性があることは、あらかじめ教師側が知っておくべきです。

LINEをやっていないことで
馬鹿にされた!とか
僕だけスタンプ使えない!
なんていう人間関係のトラブルに
繋がらないよう要配慮ですね…

一方で、先生と保護者の連絡網がLINEで繋がっている学校もあると聞きます。

そういった校風であれば理解が得やすいことが想定されますから、取り組みやすいですね。

こういった事情もあってか、
この後にご紹介する事例のほとんどが
高校での取り組みになっています。

学校でLINEスタンプ作り・実際の事例紹介

ここからは、実際にLINEスタンプ作りをしている学校の事例をご紹介します。

①島根県立隠岐高等学校

島根県の隠岐高等学校商業科では、地元IT企業・島根県と連携した「隠岐を生かしたLINEスタンプ」を制作したそうです。

2019年のニュースなので、かなり時代を先駆けて取り組んでいたんですね!

スタンプのクリエイター名は「隠岐高校商業科」になっていました。売上使途などはニュース記事には明記されていませんでした。

②埼玉県立浦和第一女子高校

埼玉県の浦和第一女子高校では、「情報I」の授業内で取り組んだそうです。

情報の授業の教育研究会で発表された事例ということで授業計画や目的が細かく紹介されており、実際に授業で取り組む際のポイントがとても分かりやすいので、これからスタンプ作りに取り組んでみたい先生にはすごくおすすめしたいページです。

なお、この授業ではスタンプの制作そのものに注力し、販売はおこなわないとのことでした。

③私立宣真高等学校

大阪府の宣真高等学校では、実際の制服を着た女子生徒のイラストを使ったスタンプが制作されていました。

在校生はもちろんのこと、卒業生にも愛着が湧くスタンプですよね。

制作の過程などは紹介されていませんでしたが、絵柄を見る限り何人かで分担して制作したように見受けられました。

こちらの学校にはアニメ・アートコースがあるようなので、コース専攻生の作品なのかもしれませんね。

スタンプのクリエイター名は「Senshin H.S. Anime&Art」になっていました。売上使途などは記事には明記されていませんでした。

④横浜市立山内小学校

高校での事例が多い中で、こちらはなんと小学校

校長・PTA・児童そして同校児童の保護者でもあるイラストレーターさんの協働による企画ということで、授業や部活動で定期的に実施されるものではない特別な取り組みだったんですね。

児童から集まったイラストをイラストレーター(保護者)のdokukinokoさんが加工し、学年別に全9セットのLINEスタンプが完成したそうです。

スタンプの売上金は全額寄付予定で、寄付先は児童たちが考えると書かれていました。

2022年度の取り組みということもあってか、残念ながら2023年5月現在は購入できないようです。

おわりに・まとめ

今回の記事では、美術や情報の授業あるいは部活動などで「LINEスタンプ制作に取り組んでみたい!」と考える先生が事前に知っておくべきことや、販売する際に気をつけたほうがいいことについてご紹介しました。

LINEスタンプを実際に販売する場合、これらが必要になります。

  1. パソコンorタブレット
  2. LINEのアカウント
  3. 売上金の振込用口座
  4. 何らかのお絵かきソフト

あわせて、これらのことについて教師が事前に考えたり、他の先生に相談したりしておくべきです。

  • LIINEアカウントや口座の名義
  • 収益の使途
  • LINEを使わない生徒への配慮

事前に学校側(管理職)に確認しておかないと「生徒がせっかく描いたのに販売させてあげられなくなった」と企画倒れになってしまうおそれがあるので、先生のほうで気を付けておいてくださいね。

もちろん「LINEスタンプ画像の制作のみ」であっても授業のボリュームとしてはしっかりありますから、販売はご家庭に委ねるという選択肢もありますよ。

大切なのは、授業や活動の目的
スタンプを描かせること」なのか
スタンプを販売させること」なのか
先生がしっかり判断することです!

最近では生徒用パソコンやタブレットが与えられている学校がほとんどですし、スタンプの画像制作そのものについては比較的取り組みやすくなっています。

とはいえ画像制作についてもいろいろと事前に知っておくべき注意点はありますので、チャレンジしてみよう!という先生には以下の関連記事もおすすめです。わたしの実体験ですよ。

LINEスタンプ作りを授業や部活動に取り入れたいと考えている先生にとって、今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです!

なお、この記事は2023年6月現在の
情報をもとに記事を作成しています。

最新の情報はLINE公式ページ
ご確認くださいね。

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