こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
これから先生になる人にとって、服装選びは地味に悩みの種になりますよね。
業務に直接関わる部分じゃないから周りの先生には聞きづらいし、美術のような副教科だと同じ教科の先生が他にいない場合も多くて判断しづらいものです。
今回は、わたし自身や周囲の先生が着ていた服装や着任後に慌てて買ったものについて、実際の経験をもとに詳しくご紹介していきますね。
- 実技指導で汚れる可能性があっても、必ずスーツを着なければならない?
- 髪型やアクセサリーはどこまでOK?
- 学校行事に合わせた服を持っておくべき?
- 女子校ならではの気配りってある?
こんな疑問がある方におすすめの内容です。
もちろん学校や地域によるという前提はありますが、これから学校に勤務する方にはきっと参考にしていただけると思います。ぜひ最後までご覧くださいね。
ちなみにわたしは当時20代女性で
私立中高一貫の女子校勤務でした!
教科は美術ですが、どの教科にも
共通している部分も多いです!
私学教師の服装・基本は「きれいめ」
襟付きシャツ+スラックスが鉄板!
わたしの勤務校では、いわゆるオフィスカジュアルの先生が多かったです。
上:シャツ・ブラウス
下:スラックス・チノパン・膝丈スカート
わたしはアイロンがけをなるべく減らせる形態記憶シャツをたくさん持っていました。
一般的には襟付きが望ましいと言われますが、レディースはノーカラーのすっきりしたデザインも多いので、どちらでも問題なかったです。
美術は教科の特性として汚い美術室の床に膝をつく姿勢で指導をすることも多かったので、洗濯機で洗えるパンツを愛用していましたよ。
午後には学校行事でビシッとスーツを着なければならない土曜日なんかは、午前の授業後に着替えることもありました。
男性は基本的にスーツの先生が多かったですが、ある種の制服のような感じで服を決めておいた方が楽だからっていう理由だと思います。
粘土や絵の具がついてもいいように
洗濯機で洗えるっていうのは
かなり重要なポイントでした!!
夏はポロシャツ、冬はニットもOK
夏はポロシャツの先生が増えますし、女性ではノースリーブの先生もわずかにいらっしゃいました。
女子校ならではかもしれませんが夏場の服装については男性教員の方が気にしていた印象で、半袖シャツで脇毛や腕毛が見えると生徒が引くからとわざわざ長袖を腕まくりして着用している先生も。
冬はタートルネックなどニットの先生も多くなります。
アイロンがけしなくていいのが楽なんですよね。
ただ、私立では学校見学者への広報的な対応が急きょ求められる場合もありますので、きれいめで清潔感がある服装というのが大前提にありました。
「ロッカーにスーツ一式入れている」
という先生も多かったです
男性教員のネクタイは任意
ネクタイも必須ではなかったので、式典や面談の日以外は外している先生もいらっしゃいました。
逆にいうと式典や面談といった保護者が来校する機会では必要です。
保護者や学校見学者の急な対応が入ることもあるので、季節を問わずネクタイはロッカーに常備するようにしているという先生も多かったみたいです。
ある管理職の先生は験担ぎとして、「入試行事の日はスクールカラーと同じ色のネクタイを選んでいる」と言っていましたよ。気合が入るんだそうです。
通勤の靴は自由
通勤の靴について何か言われたことはなくて、ハイヒールじゃなきゃとか、革靴じゃなきゃとか、そういった指定はありませんでした。
わたしは重めの外反母趾があり先が尖ったハイヒールは履けないので、この点はすごく助かりました。
スニーカーの先生もいらっしゃいましたし冬はブーツの先生も多かったですが、夏場でもサンダルはさすがにいなかったかな…
安全のため、上履きはつま先とかかとが守られているもの
一方で校内で使う上履きについては災害避難時に困らないようにということで、つま先とかかとが守られているものという決まりがありました。
いわゆるナースサンダルは不可だったんですよね。
手軽に手に入るので体育館シューズを履いている先生が多かったです。
わたしは軽い靴が好みだったので、介護の職員さんなどによく使われているというムーンスターの大人用上履きを愛用していました。スッと履けます!
通勤と授業で、先生は毎回着替えるの?
たとえば体育の先生は授業中はTシャツやジャージを着用しますが、通勤時はスーツやオフィスカジュアルでした。学校に着いたら着替えるんですよね。
単純に汗をかくからということもありますが、わたしの勤務先は電車通勤の先生がほとんどだったので、電車の中で生徒や保護者に遭遇するかもしれないということできれいめな格好が求められていたようです。
これは教員用の更衣室がどれだけ整備されているかによっても、大きく変わる気がします。
美術教師の服装・汚れ防止のエプロンは必需品!
教師用エプロンを選ぶポイント
美術の教員は必ずマイエプロンを持っていました。
粘土の授業後なんかはどうしても汚れるので、洗い替えがあると安心ですよ。
落ち着いた色合いのきれいめなデザインが生徒に受け入れられやすいです。
わたしはネイビー系のチェックのエプロンを愛用していましたよ。
美術室・教室・職員室と校内の移動も多いので、ポケットがあるものにしておくと便利ですよ。
見つけにくい時は「ガーデニング用」として検索すると、それっぽい厚手で華美でないエプロンが見つかりやすいです。
注意点としては、いわゆる保育園の先生っぽいエプロンは避けるのが賢明です…
キャラ物はかわいいんですけど、
中高生って多感な時期なので…
「小馬鹿にされてる」と感じる
生徒もいるんですよね;;
白衣も選択肢
汚れ防止としては白衣もありですよね。
チョーク汚れの対策として、理科や保健室の先生以外でも着ている先生が何人かいらっしゃいました。
意外と塾講師にも愛用の方が多いようです。
美術の場合、白衣だと絵の具などの
汚れが目立ちすぎるので…
エプロンのほうがおすすめですが
選択肢にはなります!
普段着以外に教員着任前に用意しておきたいもの
行事用にジャージ一式
体育行事や宿泊行事のために、上下セットのジャージを一つは用意しておいたほうがいいです。
わたしは普段まったくと言っていいほど運動しないので、着任後に慌てて買いました;;
学校行事って意外と写真に残るし、すごくハイブランド!じゃなくてもいいと思いますが、adidasやPUMAの上下セットを買っておくと無難です。
真っ黒だと引率行事の際に生徒から見つけづらいので、上半身だけでも少し明るい色がついたデザインにしておくのがおすすめですよ。
運動会の場所にもよりますが、グラウンドシューズと体育館シューズも1つずつあると安心ですね。
もし転勤があったとしても、
どの学校でも役立つはず!
もしものために喪服一式
喪服・鞄・ふくさなどのブラックフォーマル一式セットが必要です。
実はこれ…着任直後に先輩先生からアドバイスされたんですよね。
「あまり考えたくないけど、特に担任を持つと、一度は着ることになるよ…」と。
実際わたしも、8年間の中で学校関係者の死に数回遭遇しましたし、喪服を着る機会もありました。
弔事はどうしても起こりうることですので、教員だから・担任だからというよりは社会人としてしっかり用意しておきたいですね。
本当に残念なことですが、
弔事はあるんですよね…
あると便利なワンピース
女性教員の場合、入学式・卒業式で着られるようなきれいめワンピースは一枚あると重宝します。
- きれいめで派手すぎないデザイン
- ネイビー・ベージュなど落ち着いた色
- 膝が隠れる丈
色みは入学式なら明るめ・卒業式なら黒がおすすめですが、ワンピースをネイビーにしておいてジャケットで変化をつけると便利です。
「セレモニースーツ」という名称でセット販売されていることも多いですよ。
ただ、これはかなり校風によるところが大きくて、わたしの勤務校ではパンツスーツで参列する女性の先生も多くいらっしゃったので正直なくても大丈夫でした。
公立校ほど「女性教員の式典服=ワンピース!」という固定観念が強そうな印象です。
当然ワンピース!という場合もあれば
そんなに気合入れなくても…的な
雰囲気になる場合も両方あるので、
これは可能なら入学式の前にリサーチ
できるといいですね…!
ちなみにロングスカートは清潔感がないという風潮があるので、おすすめは膝が隠れるミモレ丈です!
冷房に弱い人はカーディガンも
私立ということで冷房完備の学校だったのですが、わたしは冷房にかなり弱くて…
冷房対策で薄手のカーディガンを愛用していました。
寒がりな人は、冬用のカーディガンやパーカーもあるといいですね。
教師のメイク・ネイル・髪型・アクセサリーはどこまでOK?
先生の茶髪やピアスは?
勤務校では茶髪もピアスもネイルもOKでした。
研修などで出会う他校の先生を見るに、おそらくかなり自由度が高いほうだったように思います。
派手であることとイコールではないのですが…
勤務校では教員におしゃれさというか「身だしなみにある程度お金をかける感じ」が求められていた気がします。
私立の女子校っていうこともあって、特別なお嬢様学校というわけでもないのですが、ブランド物を持っている先生も生徒も保護者も多かったんですよね。
なんというか…
ここはすごく校風によると思いますし
校長が変わると変わる気もします!
美術の先生はどうしても実技で汚れやすいので、ネイルやアクセサリーは控えめな先生が多かったです。
先生のメイクやカラコンは?
メイクはしてもしなくてもどちらでもOKでした。
わたしはメイク直しする時間が惜しかったこともあり、一本で完結するBBクリームを愛用していました。
がっつりメイクの先生のほうがどちらかというと多くて、まつげエクステや、黒目を大きくするタイプのカラコンを入れている先生もいらっしゃいましたよ。
先生の身だしなみ、生徒はよく見ています!
男女どちらでも共通して言えることは、先生の無精ひげや鼻毛、肌荒れ(ニキビ)なんかは思った以上に生徒から見られているということです。
あとは自分ではなかなか気付きにくい部分ですが、体臭ですね…
「あの先生いつも鼻毛出てる」「あの先生が通ると臭い」なんて話が一度でも生徒の中で噂になってしまうとなかなか挽回できないので、自分に合ったケアグッズを用意しておくのがおすすめです。
ロッカーにせっけんやサシェを入れておくのも効果的ですが、強すぎる香りは“香害”になってしまうのでほどほどにしてくださいね。
着任後一ヶ月だけは特別!毎日スーツな理由
教員の服装についてこれだけ自由な雰囲気だった勤務校ですが、実は着任後一ヶ月は男女共に原則毎日スーツが求められていました。
これには3つの理由があります。
- 時期的に式典・行事・研修が多い
- 周りから見て新任教員だと分かりやすい
- 服装選びを気にせず業務に集中してほしい
どれも納得のいく理由ですし、一ヶ月の間に他の先生の服装の様子を見て学べるのもいいですよね!
新任を迎え入れる立場からすると、新人さんだと判別しやすいのはけっこう助かっていました。
教員の世界って新任教員=新卒(若い)とは限りませんし、他教科の先生だとほとんど会うことがない先生もいらっしゃいますからね。
毎年ゴールデンウィーク明けには
服装がほぐれていくんです♪
これはNGだった!先生の服装
デニムパンツ
いくら教科特性上汚れるからと言っても、ジーンズ・デニムパンツはNGでした。
保護者や学校見学の人と出会う可能性がある中で、あまりにカジュアルすぎるという理由です。
大きな企業ロゴ入りの服
たとえば、「BOSSジャン」と呼ばれるような特定の企業ロゴが入った上着などありますよね。
ああいった服装は日頃から推奨されていなくて、特に入試行事など受験生と関わるイベントの日には明確にNGにされていました。
もちろん特定の政党や宗教に関する服装もNGでした。
おわりに
今回は美術教師の服装について、わたし自身の経験をもとに具体例をご紹介しました。
- 着任後一ヶ月はスーツ
- 普段はオフィスカジュアルOK
- 上履きは災害時に対応できるもの
- 図工・美術ならエプロンが必要
- ジャージ・喪服は教科問わず必要
- ピアスやネイルがOKの学校もある
- 身だしなみ(清潔感)に気を配る
着任すると忙しくて買いに行く時間がない!っていう場合も多いですし、授業関係以外のことはなかなか質問しづらいと思います。
この記事が新任の先生たちにとって、少しでも参考になると嬉しいです。
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