こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
- 教員朝礼やホームルームの話題を探してる
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- 美術の教材作りのきっかけが欲しい
- 教員採用試験対策でニュースを遡りたい
こんな方におすすめの記事です。
ニュースの内容と独自の考察を、読みやすい長さにまとめています。
ぜひ最後までご覧くださいね。
今回は「無免許状態で授業を実施」に関する話題を紹介します。
話題は「無免許状態で授業を実施」
中学校の教員免許しかないのに…市立小学校で臨時免許発行前の男性が“無免許”で1週間授業 前校長が無報酬で勤務打診 北海道小樽市
この小学校では3月初めに教員の欠員が出ることが判明し、急遽臨時免許状を発行してこの男性を雇用することを決めたそうです。
ただ、臨時免許状の発行には15日ほどかかるということで、始業式までに間に合わなかったというわけですね。
発行までの間は何らかの形で別の教員をあてるべきところを前校長が「無報酬だが来てくれ」というような形で当該男性に勤務を打診し、実際に6時間分の授業が実施されました。
平たくいえば、フライングしてしまったということです。
これが無資格の授業ということで問題になり、未履修扱い・無効になることが明らかにされています。
教員免許の臨時免許状って何?
「臨時免許状」は、「どうしても先生がいない!」という場合に限り、名称の通り臨時的に発行される教員免許状です。
詳しくはこちらの記事で解説していますが、実は塾の先生や教職を目指す大学生までが発行対象となっているというかなり特殊な免許になっています。
教員免許の偽装ではない、珍しいパターンの「無免許」
教員免許を持たない状態での授業といえば、教員免許の偽造に関するトラブルが度々報道されてきました。
こちらの記事でも紹介しているように、「大学で免許取得に必要な単位が取れなかった」などを理由に、故意に偽造しているわけですよね。
ところが今回の小樽市のケースでは、前校長の指示で授業をしたということですから、当該男性の故意ではないと言えます。
引き受けている以上は非がないとまではいえなくても、校長からお願いされてしまったら断れないか、校長が言うなら大丈夫なんだろうと思ってしまうか…。判断が難しい状況だったのだろうと想像できます><
個人的には、発行までの一週間ぐらいなら教員の病欠があったと仮定して、校長や教頭が交代でなんとか授業できなかったのかな?と思ってしまいました。
前校長の判断が無報酬で依頼って、
さすがに勝手すぎると思う…
教育委員会に相談したのかな?
当該男性は今のところ、引き続き担任として勤務する予定なのだそうです。
中学校の免許しかない状態でいきなり小学校の授業を持つというだけでもすごく大変なことなのに、とんでもないことに巻き込まれてしまいましたね…
そもそもの元凶は教員不足
今回って、中学校の教員免許しか持たない人に急遽小学校の臨時免許を発行して、クラス担任まで持たせているという状況なんですよね。
年度末ギリギリの3月とはいえ、発生した欠員を埋めることが出来ないほど人材の余裕がないということが、かねてより全国的に問題視されている教員不足を色濃く表しています。
最初の報道を見た時には、
専科の授業なのかな?と
思ったのですが…
まさかの担任だったとは!
もしこの男性が中学校での正採用を求めて次回の教員採用試験を受けたい!と考えていたとしても、クラス担任を持っている状態では、勉強する時間がなかなか取れないはずです。
教員のなり手不足が問題視されながらも、臨時免許の発行により教員を目指している人が教員を目指しにくくなる環境に置かれてしまうというのは、なんともいえないアンバランスを強く感じてしまいますね…。
まとめ
今回は「無免許状態で授業を実施」に関する話題を紹介しました。まとめるとこんな感じです。
文科省は教員採用試験の日程早期化が教員不足解消になると考えているようですが、「講師などで勤めている先生が教採を受験する」ことを考えていない設定だな…としか思えません…
「教員不足なら教採で不合格を出すな」という意見もあるそうですが、そこの砦を無くしてしまうのは質の担保として馴染みません。
まずは退職する教員を減らすことを目指して、教員の待遇改善に力を入れてほしいですね。
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