こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
- 教員朝礼やホームルームの話題を探してる
- 最近の学校教育にまつわる話を知りたい
- 美術の教材作りのきっかけが欲しい
- 教員採用試験対策でニュースを遡りたい
こんな方におすすめの記事です。
ニュースの内容と独自の考察を、読みやすい長さにまとめています。
ぜひ最後までご覧くださいね。
今回は「先生がイラスト無断使用」に関する話題とその解決策を紹介します。
話題は「先生がイラスト無断使用」
中学校の「ほけんだより」にイラスト無断使用 市が25万の損害賠償 中津市・大分
2016年9月〜2023年11月の約7年分の損害賠償が25万3千円だそうです。
ネット検索で見つけたイラストを印刷物であるほけんだよりに使用した上、学校のHPにも無断で掲載していました。
中学校HPでイラスト無断使用 岡山市教委、18万7千円賠償へ
2015年11月〜2020年3月の約4年半分の損害賠償が18万7千円だそうです。
ネット検索して見つけたテニス選手のイラストだそうですが、岡山市内では2016、2017年と相次いで小中学校や公民館で無断使用が発覚しています。
小学校がイラスト無断使用 徳島市、児童向けの配布物
2014年の印刷物で一度使用されたとのことですが、その後は小学校のホームページにも掲載しており、継続的な使用ということで25万円の損害賠償金になっています。
教員がフリー素材だと誤認していたかどうかは明らかにされていませんが、イラスト販売サイトの「人物が特定のポーズを取っているイラスト」だそうですので、上の2つよりも悪質な感じがしますね。
先生がイラスト無断使用する話題、最近多くない?
検索でヒットする画像が無料とは限らない
「フリーイラストだと思い込んだ」という無断使用の報道が、ここ1、2年で多すぎます。
「検索時に「フリー」と入れていても、ヒットする画像が無料イラストとは限らない」ということを反面教師的に身をもって証明してくれたというか、ある意味生徒たちへの教えになったとは思いますけど、教員側はもっとネットリテラシーを磨くべきですね。
「うさぎ」と画像検索して、
犬や猫の画像が出てくる場合も
普通にありますからね…
発覚する場合、多くは著作権者(イラストレーター)が発見しているようなんですけど、もしかして同じ作者やその関係者なのかな?と思ったりもします。
フリーイラストとして誤ってどこかに登録されてしまっていて、使われている先(被害)を探しているのかもしれません。大変ですね…
有料画像をウォーターマーク付きで使用する例も
PIXTAなどのイラスト販売サイト・写真素材販売サイトだと、お金を払う前はウォーターマークという透かし模様が入っているんですよね。
この透かし模様入り画像をお金を支払うことなく、つまりウォーターマーク付きのままで学校HPや学校だよりなどで使用してしまっている例も、残念ながらいくつかあるようです。
「違法で画像使ってます!」と
堂々と言ってるようなものなので、
とても恥ずかしい行為です…
指定された使用料を払う気がないなら、イラストを使うべきではありません。
ちなみに使用料は販売サイトによりますが、イラスト1枚につき数百円〜数千円になることが多いです。
無断使用が発覚すると損害賠償ということで数十万円の請求があるようなので、何倍ものお金がかかってくるわけです。それも自治体が支払うようなので、貴重な税金からってことですよね…
学校の授業での使用は認められることもある
実は学校の授業で使う場合に限っては、著作権法35条および38条から認められることがあります。
授業でDVDを見せることが許されているのも、これが理由なんですね。
ただしこれはあくまでも授業に限った特例であって、たとえば文化祭などの行事は対象外になります。
授業だけが特別なんです!!
これを拡大解釈してしまった人が
無断使用に至るのかも…?
解決策:イラスト素材集を一冊買うと便利!
そもそもネット上で無料イラストを見つけるのって、案外難しいし手間がかかるんですよね。
こういった「イラスト素材集」を買っておけば季節に合わせたイラストや文字の飾り枠などが2000円ほどで数百点分が使い放題になります。
本がイラストカタログになっていて、画像データ入りのディスクが付属されているんですよね。
ザ・学校向け!って感じのデザインが苦手な人には、こんな感じのおしゃれなイラストもありますよ。
ネットで安易に画像を探してしまう人は、イラスト素材集の存在を知らないんだろうなって思います。
当該教育委員会では著作権に関する研修を強化するそうですが、「フリー素材を検索せずともイラストを使えるようになる方法」を教えてあげてほしいですね。
イラスト素材集は多くの場合は商用利用可ですしプリントでもHPでも学校行事でも使えますが、ひとつだけ注意点があって、学校やオフィスで複数人で利用することは禁止されている本が多いです。
先生同士で貸し借りせず、
一人一冊買ってねってことです
まとめ
今回は「先生がイラスト無断使用」に関する話題を紹介しました。まとめるとこんな感じです。
ネット上にはフリーイラストとして無料でイラストを公開してくださっている方もいらっしゃいますが、その多くは広告掲載で運営費が賄われています。あの有名な「いらすとや」だってそうですよね。
お金を払わずになんとかしようとすることは、イラストを描く人間を軽視することにもつながり、非常に教育上よくない行為だと思います。
元美術教師としては、触れずにはいられない話題でした。
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