こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
最近、「防災給食」に関するニュースを目にする機会が増えてきました。
そうはいってもまだ聞き慣れない取り組みでもあり、こんな疑問を持っている方も少なくないですよね。
- そもそも防災給食って何?
- 防災給食は何のためにある?
- 防災給食のメニュー例は?
今回の記事では防災給食を実施する理由や全国各地の実施メニュー例についてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
防災給食って何?
子どもたちが防災に対する理解を深め、心構えを身につけることができるように、給食のメニューのすべてあるいは一部を非常食に置き換える取り組みのことです。
その地域で過去に大きな災害があった日や9月1日の防災の日に提供されることが多く、避難訓練や引き渡し訓練とあわせて実施されることもあります。
学校で防災給食を実施する理由
防災食に食べ慣れることができる
被災時の普段とは異なる状況で食べたことがないもの・初めて食べるものしかないっていうのは、特に幼い子どもたちにとっては大きなストレスになってしまいます。
防災給食を実施することで、避難所での食事がイメージできるようになりますよね。
もちろん実際にはまったく違う種類の非常食が新たに提供される可能性もありますが、「こういう味だよね」「こういう食べ方だよね」と前もって雰囲気を経験しておけると、もしもの時のストレスが少しでも軽減されます。
こういう経験が事前にできると、
児童・生徒自身はもちろんのこと
先生にとっても役立ちますよね!
また、備蓄食品を実際に食べる体験を通して、災害への備えの大切さを知る・日頃の食事への感謝の心を育むことができるとも言われていますよ。
ローリングストックの仕組みづくりができる
1年に1回程度「防災給食」として提供することで、備蓄品の点検や入れ替えのタイミングを逃すことなくストックし続けられます。
いざという時に食べ方がわからない・賞味期限が切れていたということがあると本末転倒ですから、古い保存食を消費して新たな保存食を備えるというローリングストックが自然な流れで出来るようになることは、災害への備えとして大きなメリットです。
一般的な会社だと、
備蓄品の保管・整理・処分が
意外と担当者の大きな負担に
なっている場合もあります
ちなみにアレルギー特定原材料等は2023年3月に「くるみ」が追加されて28品目になりました。
古いストックには旧表示しかないので、食物アレルギーがある場合は少し心配になります。
そういう意味でも、新しいものにストックを随時交換していけると安心ですよね。
防災給食のメニュー紹介
救給カレー給食(鹿児島県南さつま市)
9月1日の防災の日に合わせて、レトルトの非常食「救給カレー」が提供されました。
この「救給カレー」はカレーとご飯がパックに混ざった状態で入っていて、お皿不要でパックからそのまま食べられるようになっています。
緊急時対応パン給食(福島県南相馬市)
防災の日に合わせて、独自の取り組みである「緊急時対応パン」が提供されました。
「緊急時対応パン」はパン生地でカレー味のイカメンチを包み込んで焼いたもので、何らかの理由で給食センターが使えなくなった時は近隣のパン屋さんが給食を提供するという意味での防災給食なんですね。
アルファ米給食(新潟市南魚沼市)
中越大地震が発生してから10年という節目の年に、「アルファー米・乾燥ワカメ・米粉クッキー」の非常食が提供されました。
アルファー米と乾燥ワカメを水で戻して、児童・生徒が自分でわかめご飯を作る体験も行われています。
アルファ米給食(東京都羽村市)
防災の日に合わせて、保育園でも防災給食が実施されています。
「アルファ米・豚汁・シロップ漬けのみかん」という非常食に水分補給も保存水、卵の殻踏みでガラス破片の怖さを体験し、敷布団なしでお昼寝、午後のおやつも乾パンという徹底ぶりです。
炊き出し給食(徳島県鳴門市)
阪神淡路大震災があった1月17日に、「常備米で作ったおにぎり・缶詰風のおかか煮・味噌汁」などが提供されました。
こちらは一風変わっていて、避難所の炊き出しをイメージした献立になっているんです。
当時はまだ非常食という考え方があまり広まっていなかったこともあるのか、阪神淡路大震災といえば炊き出し・子どもたちにもあの有り難みを味わってほしいという印象が強いようで、近隣の兵庫県伊丹市などでもこのような炊き出し風献立が提供されていました。
特に選ばれていたのは「救給カレー」
全国各地の防災給食ニュースを見ていて、特に目立ったメニューが「救給カレー」です。
「救給カレー」は実は東日本大震災を受けて、全国の栄養教諭・学校栄養職員の手により新たに開発された非常食なんですよね。
アレルギー特定原材料等28品目不使用の学校給食用非常食で、常温で3年6ヵ月保存可能になっています。
一袋400円ほどと少し高価なのですが、これ一つで多くの食材を摂取することができると好評で、今ではさまざまな自治体の備蓄品や防災訓練で幅広く活用されていますよ。
「救給シリーズ」は他にも「救給根菜汁」「救給コーンポタージュ」「救給ゴロゴロ野菜の煮物」などが販売されており、どれもアレルギー特定原材料等28品目不使用・水なし温めなしでそのまま食べられるという工夫がされています。
まとめ
今回の記事では防災給食を実施する理由や、全国各地の実施メニュー例についてご紹介しました。
わたしは家庭用備蓄品としてアルファ米など用意していますが、ふと「実際どんな味なんだろう…」と思うことがあるんですよね。
とはいえなかなか家で食べるきっかけもないので、こうして給食としてみんなで食べて感想を言い合える機会っていうのはすごくいい!と思いました。
家庭だとなかなか挑戦できないし、
学校でやってくれるの助かる!
という保護者の声も多そうですね!
記事を書きながら気になったので、わたしも自宅で備蓄していたアルファ米雑炊を作って食べてみましたよ。
お湯を入れて15分待つんですね。水だと60分です。
防災給食で実施する場合は4時間目から作り始めて、その間に講話を聞いたり避難訓練をしたりするのかも?と思いました。
出汁の味がきいていて、おいしかったです♪
いつ起きるかわからないのが災害ですから、味や食べ方を知っておく・雰囲気を知っておくということも含めて、事前に準備しておきたいものです。
こうした防災給食の取り組みが、今後も各地に広がっていくといいですね。
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