こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
COVID-19、新型コロナウイルスが発生したのが、2019年です。
日本では2020年2月の一斉休校が要請され、このブログでも関連する記事をいくつか作成してきました。
実は記事作成にあたって、《コロナ》という表記をできる限り避けてきたのです。
ころなちゃんへの風評被害
こちらは、わたしのツイートです。
4月21日ということは、緊急事態宣言中ですね。
さまざまな形で不安な人が増えて、「コロナのせいで」「コロナがなければ」という言葉が、街頭インタビューやニュースのコメンテーターなどからも、多く聞かれました。
わたしは教師という職業柄「名前」を目にする機会が多いこともあり、「ころなちゃんは、確実にいるよなぁ……」と大変気になりました。
この状況に大きな違和感と不安を覚えたのです。
もちろん、「コロナまじ消えろ」発言の人たちは《ころなちゃん》に対して言っているつもりはないのでしょうが……耳にする《ころなちゃん》からしたら、風評被害です。
名前を笑う・バカにするって、無論決していいことだとは言いませんが、小学生ぐらいなら大なり小なりあるとは思うのです。メガネかけてたらメガネザルって呼ばれる、みたいな感じです。
小学生がやるそのおふざけを、テレビなどで大人たちが堂々と言ってるような感じがしちゃったんですよね。
もっと配慮した言い方は出来ないの?
という憤りを感じます
人名、地名、商品名にも使われる素敵な言葉
《ノロウイルス》と《野呂さん》と同じ関係性だと思い検索すると、こんな記事に出会いました。
現在の四日市市は、この歴史を教訓に工場の排煙規制を進め、きれいな空気に改善されました。しかし、今でも四日市というと「四日市ぜんそくの町」というイメージが残っているのは確かです。
http://www.asahi.com/special/kotoba/archive2015/danwa/2012021500014.html
こちらは2012年の記事ですが、読んでなるほど言われてみれば公害と地名という関係性も、同様なんですよね。
教科書で何気なく学んだ言葉にも、見えないところには苦しんだ人がいたわけです。
コロナについては太陽や王冠という意味で、商品名や企業名としても多く採用されている言葉です。
高校生の時にデッサンのモチーフでよく描いたのは《コロナビール》の空き瓶でした。
売れなくなったという話と、むしろ話題になって宣伝効果があったという話とが、両方あるようです。
誹謗中傷から改名したVTuber
《ころなちゃん》は、VTuberにもいました。
名前に関する誹謗中傷が相次ぎ、先日《桜ころみん》に改名したそうです。
ころなはそういったコメントを見ても「ヘコむ」ことはなかったそうですが、ある日新型コロナによって死者が出たというニュースが流れた際、「お前が殺したんだろう」「人殺し」などといったコメントを書き込まれたそうで、さすがにショックを受けたとのこと。
https://ytranking.net/blog/archives/36985
さらには、企業からのお仕事が減ってしまったり、初対面の人から名前に対して驚かれるという状況から、やむなく改名を決断したそうです。
彼女の《ころなちゃん》が本名かどうかは与り知るところではありませんが、大切な活動ネームを変えるということがどれほどの大きな意味を持つか……。
手続き上は本名を変えるよりは容易なのでしょうが、愛着がある名前だったこととお察しします。
そのうち、世界のどこかの《ころなちゃん》の本名改名に関するニュースを目にする日が来る……のかもしれません。
《コロナ禍》という言葉の使いやすさ
一方で《新型コロナウイルスが猛威を振るうこの状況下で……》を《コロナ禍》の4文字で置き換えられるというのは、単純に文章作りとしては使いやすい言葉です。
実は先日、別の記事を書いていて「ここは《コロナ禍》が読みやすいよなぁ……」と感じて、自身の中での葛藤というのでしょうか。
とっても困ってしまったのです。
「いわゆる《コロナ禍》で……」とか、あくまで用語として使っていますよとか、なんとなくコロナという言葉を使うことに違和感はあるんですよっていうニュアンスで書いていければいいのかなぁとは思いつつも、どうもこの言葉無しで今後数年の教育現場を語れる気がしないのです。(教育現場に限ったことではないのでしょうが……)
おわりに
世の中でこれだけ使われている言葉に対して、わたしのような一個人が気にしたところで、なんの意味もないのかもしれません。
しかし、アンテナを張ることには意味があると思っています。
いつかどこかに住んでいる《ころなちゃん》に届いて、「こんなふうに考えてる元教師もいるんだなぁ」と、少しでも心を穏やかにしてくれたら……先生を目指す人の何かヒントになれば……と切に願います。
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