こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
新たな学年を迎えるこの時期になると思い出す、新入生とのエピソードがあります。
「入学早々、先生からこんなことをされて嫌だった」という話で、生徒たち曰く、意外とベテランの先生ほどやってしまうらしいのです。
- 生徒と良好な関係を築きたい
- 新学期ならではの準備について知りたい
- これから先生になる予定だ
- 先生として長く勤務している
こんな人におすすめの記事です。
教師を始めて数年経った時に気付いたことですが、わたしが何気なくやっていた習慣が意外と全先生がやっているわけではないことだったんです。
これをやらない先生に対して、生徒によっては3年間ずっと悪印象を引きずる場合もあるらしいんですよね…それは嫌ですよね;;
入学・進級の時期にできる生徒を傷つけないための準備について知りたい方は、ぜひ最後までご覧くださいね。
新学期早々、生徒を傷つけてしまう理由
「入学早々、先生からこんなことをされて嫌だった」という話。
それはずばり、名前の読み間違いです。
「そんなことぐらいで…」と思う先生にこそ、この記事をぜひ最後まで読んでいただきたいのですが、生徒たち曰く先生への第一印象がとても悪くなるそうなんですよね。
第一印象で信頼がなくなる
ついつい自分の固定観念で読んでしまいがちですが、名前には様々な読み方がありますよね。
「藤原」→「ふじわら」「ふじはら」
「茅野」→「かやの」「ちの」
「愛」→「あい」「まな」「めぐみ」
「麻美」→「まみ」「あさみ」
など…
もしも名簿にふりがなが記載されていないとしたら、指導要録などで一人ずつ確認ということになりますが…基本的には記載されている情報ですし、初回授業の前に知ることが出来る情報であるはずです。
名前も知ってくれていない・調べる気のない先生からは教わりたくない!心を開きたくない!という声や訂正することで目立ってしまうのが嫌だという声は、生徒から案外多く聞かれるものでした。
「高野」が「こうの」か「たかの」かとか、名簿順(あいうえお順)で考えたら明らかにその位置じゃないでしょう…と思うような場合でも、読み間違いをする先生も多いようなんですよね。
生徒の名前を正しく読むことが、
簡単そうで意外と忘れがちな
コミュニケーション術なのです!
実際のエピソード
わたしは中学1年生の最初の授業では、必ず目を合わせながら一人ずつフルネームを呼んで出席確認をするようにしていました。
これは新卒で着任した時からやっていて、美術室は自教室と座席が異なるために、間違って座ってしまう生徒がいることを想定してのことです。
40人近い人数を毎回呼名すると時間がかかるので、4月の最初だけですけどね。
とある4月に、毎年のように一人ずつ呼名していた時のことです。
とある生徒を正しい読み方で呼んだら、目を輝かせて喜ばれました。
「実は、担任の先生にすら間違われて…」
何事かと思ったら、なんと担任にすら間違えて呼ばれてしまったと言うのです。
担任の先生は緊張していたのか、
はたまた名前を間違えて呼ぶことを
コミュニケーションの一つだと
捉えていたのか…謎です…
彼女の苗字は特別珍しいものというわけではなかったのですが、「千田」が「ちだ」か「せんだ」かみたいな感じで複数の読み方が出来る苗字だったのです。
本人曰く「珍しくないからこそ、先生たちは事前に確認しないのかなぁ。でも名簿順で予測できるよね?」とのことでした。
以後、同じように「読み間違えられて嫌だった」とか「間違われることで目立ってしまって嫌だった」「目立つのが嫌で訂正しなかった」といった声を複数聴くことになるのですが…
そうしているうちにわたしが何気なくやっていた習慣が意外と全先生がやっているわけではないことだと気付いたのです。
これで解決!わたしの4月の習慣
わたしが毎年やっていた習慣は、これです。
受け持つ全生徒の氏名を、初回授業よりも前に、名簿を見ながら声に出して読む
美術は週一回しか授業がないということでどうしても受け持ちクラス数が多くなり、毎年300人ぐらいの生徒を受け持つのですが、中には同じ漢字だけど別の読み方をする子っていうのも割といたんですよね。
副教科の教員あるあるですけど、
受け持つ生徒が多いので
毎年名前を覚えるのが大変で…
その分、事前に確認しようっていう
意識が芽生えやすかったのかも?
事前に読み方を確認しておかないと思い込みの読み方で呼んでしまいそうで、怖くて初回授業を迎えられないって思っていました。
非常勤講師の先生などで初回授業の日に初めて名簿を見ることになるケースもあるようですが、生徒からしたらその先生が非常勤かどうかなんて分かりませんから、「間違えられた」っていうのはやっぱり悪印象なんですよね。
特に「間違った呼び方で名指しで叱られる時」が、すごく嫌だそうです…。
受け持つ生徒全員を初回授業までに暗記するのは無理でも、事前に読んでスッと読めなければ、意識して呼ぶはずです。
事前に声に出して読むことはとても効果的だと思っています。
「あ、名前間違えた先生だ」と
思われ続けちゃうと、
その後のコミュニケーションで
損ですからね!
それでも名前を読み間違えてしまったら
事前に読んでいても、やっぱり間違えてしまう場合もありますよね。
そんな時は「名前ぐらいで」と思わずに、「読み間違えちゃってごめんね」と素直に謝りましょう。
生徒曰く、ベテラン教師ほど
名前の読み間違いを軽んじていて
謝ってもらえないことも
多いのだとか…
先生からの傷付く言葉、あの芸能人も経験者でした
芸人・ミルクボーイの内海さんも、ラジオの中で「名前の読み間違いエピソード」を話しています。
「学校とかで、先生とかに間違えられたりしてたんよ。始業式とか教育実習の先生が来た時、『ウチウミくん』『いや、ウツミです』みたいな」と回想。当時の怒りがぶり返してきたのか、「オレが教育実習で行ったら聞くけどな。名簿をもらって、授業の前に担任の先生に『この子、読みにくいんですけど、何て読むんですか』って聞くけどな。下調べなしで教育実習に来てるやん…みたいな」
ミルクボーイ内海 学校の先生の“傷付いた”言葉とは? 「調べとけや!って思う」― スポニチ Sponichi Annex 芸能より
嫌な思い出として、記憶に残っているんですね…
おわりに
今回は、新学期を迎える前に全先生に知っておいてほしいコミュニケーション術について、実際のエピソードを交えてご紹介しました。
もちろん読み間違いに対してなんとも思わない生徒もいるとは思うのですが、わたしの体感では読み間違われる子ってこれまでの人生でも既に何度も読み間違いされているんですよね。
その都度訂正する煩わしさだったり、調べてくれていないっていう寂しさだったり…少なからず感じているんじゃないかなって思います。
受け持つ全生徒の氏名を、初回授業よりも前に、名簿を見ながら声に出して読む
「この先生は、わたしのことを事前に知ろうとしてくれていた」と感じるだけで、嬉しいんだとか。
新任の先生もベテランの先生も、今後はぜひ意識してみてくださいね。
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