
こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
教員のさまざまな業務を振り返ったときに、準備が大変だったと思う仕事の一つが「美術部の合宿」です。
今回はしおりに載せる「もちものリストづくり」をピックアップしますよ。
引率行事を何度か経験すると何を書くべきなのかが分かってくるのですが、初年度はなかなか予想がつかなくて、でも他の先生にもなんだか質問しづらくて…
そんな苦い思い出があります><
現役の美術部顧問の先生方の業務が少しでも減ることを願って、私立の女子中学校ならではの美術部合宿の生徒用のもちものリストや先生が持参したほうがいいものについてわたしの経験を記録しておくことにしました。
- 美術部の顧問教員である
- 生徒用のもちものリストに悩んでいる
- 先生が持参すべきものを知りたい
- 女子校ならではの注意点を知りたい
- 他の学校の実施例を見てみたい
こんな方におすすめの内容です。
もちろん学校によって事情が異なる部分はあるかと思いますが、一例として少しでもどなたかの参考になれば幸いです。ぜひ最後までご覧くださいね。
美術部の夏休み合宿・人数と予算と諸条件
今回ご紹介する美術部の夏休み合宿の人数や予算などの実施条件はこちらです。
- 大阪発着
- 夏休みに2泊3日
- 貸切バス利用
- 私立の女子中学校
- 美術部の希望者20名前後
- 引率者は教員2名
- 予算は35,000〜38,000円
この合宿は希望者のみでしたので年によって15〜30名程度まで幅がありましたが、おおむね20名前後になることが多かったです。
合宿の予算は他の部活との兼ね合いもあり、大体これぐらいでと学校側から言われていました。
予算は、宿選びに直結しますよね。
物価高の今なら4万円近くになってしまうかも?
滋賀・岡山・鳥取の3ヶ所を3年ローテーションで、中1から中3まで在籍すれば全部に行ける(生徒は同じ場所に行くことはない)という仕組みで実施していました。
美術部の夏休み合宿・生徒の持ち物リスト
わたしが作成した生徒の持ち物リストはこんな感じです。
- 合宿のしおり
- 着替え
- 寝巻き・パジャマ
- 帽子
- 洗面用具
- ハンカチ・ティッシュ
- 生徒手帳
- 常備薬
- 生理用品
- ビニール袋・ゴミ袋
- 水筒
- おやつ 500円以内
- おこづかい 3000円程度
- 写生道具とそれが入る大きさのバッグ
よくある物も多いのですが、女子校ならではの注意点を交えながら詳しく見ていきますね。
着替え(スカート禁止)
「合宿中は制服着用で」という学校もありますが、勤務校では顧問の判断でOKでした。
2日目の屋外スケッチの日は特に長ズボン推奨で、これは自然あふれる場所で長時間座っていることが多いので虫刺され・草対策です。
あってはならないことですが盗撮対策、そして一般の方の記念撮影にうっかり映り込んでしまう可能性も含めて、せめてスケッチの日だけでもスカートは禁止にしたほうがいいです。

集中して描いていると
スカートがめくれていても
なかなか気付けなかったり、
いつのまにか脚が開いていて
下着が見えてしまっていたり…
特に盗撮対策については悩ましくて…
他校の先生との間でもよく話題になっていました。
教員巡回で予防していくしかないのかなと思いますが、そういう意味でも生徒たちは身元がわからないほうがいいというか、制服じゃない(学校名がわからない)ほうがいいかなと思います。
寝巻き・パジャマ
ホテルに浴衣のようなものが用意されている場合もありますが、緊急時の避難や着崩れのことを考えて、寝巻きは持参がおすすめです。
いわゆるパジャマの子もいましたが、かさばらないようなTシャツに短パンという子が多かったです。
日中の服装も含めて、露出が控えめな物・あまり透けない物を選ぶように指導していました。
洗面用具
歯ブラシやタオルなどの洗面用具については、何がホテルにあるのかを明記してあげたほうがいいです。
特にドライヤーについては各自で持参してしまうとなにかと面倒なことになるので、「ホテルにあるから持参不要です」などと書いておきたいですね。

持参すると取り合いになるし、
うっかり破損しても困るし、
ブレーカーが落ちても困るし…
ドライヤー持参はいいことないです
常備薬
普段とは違う環境に行くから、急に体調を崩すかもしれませんよね。
鼻炎・腹痛・頭痛・生理痛・酔い止め・かゆみ止め・湿布薬など具体例をあげて、自分に合った薬を準備するよう促しておきましょう。
市販薬であっても先生から生徒に薬をあげることはできないことや生徒同士で薬の貸し借りはできないことも、事前にしっかり伝える必要があります。
ちなみに少し前までは「保険証のコピーを持参」がメジャーでしたが、マイナ保険証の登場によって現在ではこれが難しくなっています。対応方法を管理職に確認しておきましょう。

そもそも従来の保険証でも、
コピーは原則無効の病院が
多かったとは思います
(一旦全額支払い→後から返金)
水筒
とにかく暑いので、なるべく水筒にお茶を入れてもらえるタイプのホテルを選ぶようにしていました。
自動販売機を利用することは特に禁止していませんでしたが、お茶や水を毎日買うとそれだけでおこづかいがなくなってしまいますからね。
おこづかいの金額
目安を記載しないと保護者の方も用意しづらいかなと思ったので、おこづかいは3000円程度で表記しておきました。(これは合宿予算とは別)
家族へのお土産代や、自由散策時のソフトクリーム代などに使っていましたよ。
いわゆる合宿所に行って練習をするタイプの部活の生徒からは、とてもうらやましがられたそうです。
生徒用の合宿かばんについて
ほとんどの生徒が小さめのリュック+ボストンバッグという装いでした。
後述する写生道具は、それとは別にトートバッグなどに入れてくる子が多かったです。
芝生や石畳みでは使いにくいのでスーツケースは禁止にしていましたよ。
美術部の夏休み合宿・写生道具について
上記の持ち物とは別に、2日目の屋外スケッチで使用する写生道具も準備してもらいます。
- スケッチブック
- 筆記用具
- 絵の具・筆・パレット・雑巾
- 筆洗(牛乳パックやペットボトルで代用可)
- レジャーシート
- 日焼け止め・虫除けグッズ
スケッチブック
スケッチブックのサイズは自由にしていたので、ポストカードサイズから八ツ切までさまざまでした。
サイズ選びにも個性が出ていて面白かったです。
大体5時間程度になるので、まだあまり描き慣れていない中1の子にはポストカード〜B4サイズぐらいをおすすめするといいですよ。大きすぎると描ききれないです。

スケッチブックの大きさに合わせて
写生道具を入れるための袋・かばんが
決まるっていう感じでした
筆記用具・絵の具など
描画材も自由にしていましたが、絵の具などは普段授業などで使用しているものをそのまま持ってくる子が多かったです。
持ち歩きやすい固形水彩や色鉛筆を持ってくる子もいました。
筆洗(水入れ)
筆洗は専用のバケツを持参するとかさばる場合も多いので、牛乳パックやペットボトルで代用するとスムーズであることを事前に伝えておきましょう。
特にペットボトルであれば、使った後の汚れた水を持ち帰ることができるという大きなメリットがあります。
可能であればこの合宿よりも前に学校の近くで屋外スケッチを実施しておいて、こういった道具の取り回しについても先に経験させておけるといいですね。
レジャーシート
絵の具などをこぼしてしまうかもしれないので、レジャーシートを敷いてから道具を広げるように指導します。
スケッチしたい場所にベンチがある場合でも、それはあくまでもお散歩の休憩用ベンチだということをふまえて、スケッチの際には座らないようにあらかじめ伝えておきましょう。
こういう感じの小さな折りたたみ椅子を持参する生徒もいましたよ。
軽い物だと300gを切るし、意外と安いんです。
「先輩が使ってるのを去年見て、わたしも買った!」という生徒もいました。

意外と、先輩から後輩へと
口コミ?伝承?されていくものが
多くて興味深かったです
日焼け止め・虫除けグッズ
勤務校では体育の授業でも日焼け止めOKだったので、生徒たちはそれぞれに肌に合う日焼け止めを把握しているようでした。
意外と肌荒れしちゃう場合もあるので、あまり貸し借りさせたくない物なんですよね。
虫除けグッズはこういうブレスレットリングタイプのものを使用している子が多かったです。最近はスプレーよりもこちらのほうが主流みたいですね。

日焼け止めを塗るのが当然の時代だし
そこにさらに虫除けを塗るのは嫌で、
リングタイプが流行ったのかも?
美術部の夏休み合宿・先生が持っていくと便利なもの
生徒たちの持ち物をふまえて、ここからは引率の先生が持っていくべきもの・あると助かったものについてご紹介していきます。
- 大小ビニール袋
- クリップボード
- 緊急用のホイッスル・腕章
- 油性ペン・コピー用紙・マスキングテープ
- 生徒用の生理用品
- 先生自身の常備薬を忘れずに!
大小ビニール袋
生徒用の持ち物にもビニール袋は入れていたのですが、忘れてしまったり使い切ってしまったりする場合も多かったです。
スケッチの後に汚れた用具を入れたり、靴や服が濡れてしまったり、おかしを食べたあとのゴミが出たり…
ちょっと前まではスーパーのレジ袋と言っていましたが、ああいう袋がやっぱり便利なんです。
大小のビニール袋を毎回多めに持って行くようにしていました。
クリップボードバインダー
風が強い場合も安定して文字が書けるように、しおりはバインダーに留めておくと便利です。
周囲から見ても、引率者であるという雰囲気が伝わりやすくなりますよ。
緊急用のホイッスル・腕章
勤務校では教員用のネームタグに緊急用ホイッスルがついていて、これを合宿にも持参しました。
屋外スケッチの見回り時には「防犯巡回中」「教員」などが書かれた腕章も用意しておくと、上記のバインダーと合わせて盗撮対策の一つになります。
コピー用紙・太細ペン・養生テープ
コピー用紙・太細ペン・養生テープの3点セットは「とりあえず張り紙をしたい」時にすごく役立ちます!
「置かせてください!」「夕食はこちら→」みたいな感じで、生徒向けだったり一般の方向けだったり、いろいろと急遽使用する場合があるんですよね。
コピー用紙は一般的なA4サイズでもいいのですが、少し大きめなB4やA3サイズを持っておくと目立つので、より張り紙としての意味をなします。折ってバインダーに挟んでおくといいです。
ペンは太細ツインタイプがいいですね。
プロッキーツインは水性なので紙に書いても裏写りせず、それでいて耐水性インクなのでとても便利です。
普段から愛用している先生も多いかと思います。
テープは幅広のマスキングテープでもいいのですが、屋外でも使える養生テープが役立ちます。

ホテルで借りられるかもしれませんが、
屋外活動中に必要になる場合もあるし
これは持参したほうがいいです!
生徒用の生理用品
予備の生理用品は毎回持っていくけれど、実は使ったことはないんです。
基本的に生徒はみんな持参しているということもあって、もし忘れたり使い切ったりした場合でも先生よりも先に友達に聞くんですよね。
けっして推奨はしませんけれど…彼女たちなりにうまくシェアしあっていたようです。
とはいえ何が起こるかわからないですし、不測の事態に備えてやはり持っておいたほうがいいです。

昼用・夜用を5こずつぐらい
持っていっていました
先生自身の常備薬を忘れずに!
何よりも大切なのは、実は先生自身の常備薬です。
先生にアクシデントが起きると生徒を困らせてしまいますし、生徒の安全が揺らぎかねないですからね。
バスの酔い止めや生理用品、のどケアグッズなんかも含めて、自分が健康・快適でいられるためのグッズはくれぐれも忘れないようにしましょう!

「合宿に休足時間を必ず持参する」
という先生がいらっしゃいました。
たしかに、歩き疲れますからね…!
美術部の夏休み合宿・先生の合宿バッグ
教師をしていると、部活動以外にも修学旅行や林間合宿などなにかと宿泊行事の引率が多いんですよね。
わたしは着任直後の4月にいきなり宿泊行事の引率があって、あわててボストンバッグを買いました。
それを美術部の合宿にも毎年使っていましたよ。
貴重品などを入れて持ち歩くボディバッグ
+
宿に置いておくボストンバッグ
2泊程度ならこれがベースになります。
登山用の大きなリュックを使っている先生もいらっしゃいましたが、こういうボストンタイプの先生が多かったです。
防水や撥水の生地になっている、スポーツメーカーやアウトドアメーカーのものが無難かなと思います。
一つ持っていると長く使えますよ。
おわりに
今回の記事では私立の女子中学校ならではの美術部合宿の生徒用のもちものリストや先生が持参したほうがいいものについて、エピソードを交えてご紹介しました。

いろいろと準備は大変ですが、生徒たちにとっても先生ご自身にとっても、大きな思い出になるはずです。
美術部に関わる先生方にとって少しでも参考になると嬉しいです。
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