こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
- 教員朝礼やホームルームの話題を探してる
- 最近の学校教育にまつわる話を知りたい
- 美術の教材作りのきっかけが欲しい
- 教員採用試験対策でニュースを遡りたい
こんな方におすすめの記事です。
ニュースの内容と独自の考察を、読みやすい長さにまとめています。
ぜひ最後までご覧くださいね。
今回は「教員採用試験の4月実施案」に関する話題を紹介します。
話題は「教員採用試験の4月実施案」
文科省が4月実施案を提示、教員採用試験の日程を早期化?
2022年8月に永岡桂子氏が文科相になった時から教員採用試験の早期化が話題になっていましたが、具体的な実施案が提示されました。
自治体にもよりますが教採は例年は7〜8月に試験が実施され、10月頃に合格発表があります。
これを4〜5月に試験を実施し、合格発表を8月中にしようというのが今回の「教採4月実施案」です。
都道府県・政令市の教育委員会や大学協会で構成される協議会にて議論されるようですね。
教採早期化・4月実施案のメリット
- 民間企業の採用活動が早まる中、人材獲得面で不利になっているとの指摘がある
どこからの指摘か分かりませんが…教員不足の原因は採用スケジュールにあると思っている人が一定数いらっしゃるようです。
文科省は教員採用試験の早期化をすることで、教員不足が解消されると考えているんですね。
一般企業の就活をしている友人たちが続々と内定をもらう中、教職志望者は秋まで内定を待たなければならないということは確かです。国家公務員試験でも実施時期の前倒しが検討されているのだとか。
しかし果たして、それだけが教職を目指さない理由になるでしょうか…。
そんな理由で教職志望をやめる人は、
もっと早い段階で民間企業の就活に
切り替えてると思いますけどね…
時期が変わることで新卒の学生が多少増える(民間との併願)かもしれませんが、その分だけ辞退する数が増えるだけな気もしますし、メリットとまでは言えないのではないでしょうか。
教採早期化・4月実施案のデメリットや問題点
さて、今回の案では「4月」と実施時期を具体的に示されているので、4月に変更することで生じるデメリットや問題について考えてみました。
- 4月の先生は忙しいのに、講師をしながら次年度の採用試験の準備をできる?
- 4月の学校は忙しいのに、試験会場を設営できる?
- 4月は教育委員会も異動で忙しいのでは?
- 新卒だと、教育実習を経験せずに教採を受ける場合がある
ニュースを見て「よりによって4月!?」と思ってしまいました。
仮に早期化するにしても、4月実施というところが多くの問題を生み出していますよね。
学級開きがある4月は学校教育にとって特に大事な時期だからです。
入学式があって新入生が入ってきて、もちろん進級もあって、先生たちの退職や異動もあって…。
児童・生徒・保護者への対応という意味でも4月は非常に重要な時期で、この時期のちょっとした声かけやていねいな接し方によって、後々の円滑なコミュニケーションにつながるんですよね。
…ということは逆も然りで、この時期に信頼関係を形成できないと、先生だけではなく生徒にとっても辛い1年間になりかねないと言えます。
そんな大事な4月に、目の前の子どもたちに最大限の力と時間を割きたい4月に、来年の採用試験のための仕事を増やすという考えは、わたしにとっては疑問しかありません。
講師をしながら次年度の試験を受ける
準備をする先生のこととか、
まったく頭にないスケジュールだなと
思ってしまいました…びっくり…
また、新卒の学生にとっては基本的に4年次の5〜6月に教育実習をおこなう学校が多いわけで、4月実施となると実習なしに教採を受けるということになりそうです。(3年次実施の学校や秋実施の学校もありますが少数です)
当然ながら今回のスケジュール案には不安を覚えると思いますし、仮に実習なしで合格したとしても、教育実習に行ってみて嫌になって合格を辞退…なんてこともあり得ますよね。
誤解を恐れずにいうと、先生を本気で目指す学生や子どもたちのことを考えられる学生ほど疑問を持って、教職を目指さなくなるんじゃないか?とさえ感じてしまいます。
早ければ2024年度実施の試験から
導入を目指したいようなので、
現在の大学2年生以下が対象です。
教職志望自体をやめちゃうんじゃ…?
まとめ
今回は「教員採用試験の4月実施案」に関する話題を紹介しました。まとめるとこんな感じです。
教職離れ・教員不足の解決策について、わたしは現職の先生方が辞めたくならない環境を作ることが一番だと考えていますし、同じ考えの教員経験者は多いと思います。
辞めたい理由は残業の多さだったり給与面だったり感情労働の辛さだったりと、もちろん先生や学校によるでしょうが、基本的には辞める先生が少なければ学校内のバランスは崩れにくいわけです。
教職=ブラックと言われて久しいですが、現状では教え子におすすめしづらい職業になってしまっていると感じます…。
文科相にはまず、現場の声に耳を傾けてほしいです。
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