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運動部の監督や指導者による暴言、体罰、不祥事が相次ぐ…原因は「スポ根」?【熊本・静岡・岐阜】

運動部の体罰や暴力はなぜなくならないのか秀岳館飛龍高校岐阜協立大 教育ニュースまとめ
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こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

  • 教員朝礼やホームルームの話題を探してる
  • 最近の学校教育にまつわる話を知りたい
  • 美術の教材作りのきっかけが欲しい
  • 教員採用試験対策でニュースを遡りたい

こんな方におすすめの記事です。

ニュースを読んで独自に考察した内容を、さくっと読める長さにまとめています。

といいつつ今回は3つのニュースを取り扱っているので、少し長くなってしまったのですが…
ぜひ最後までご覧くださいね。

今回は「運動部の指導者による不祥事」に関する話題を紹介します。

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話題は「運動部の指導者による不祥事」

4月からの2ヶ月間で、立て続けに3件の事件がありました。

秀岳館サッカー部の謝罪動画、投稿された経緯は?監督が関与・指示していた(記者会見)|ハフポスト

記事によると
  • 熊本県の高校で、サッカー部員への暴行容疑で30代の男性コーチが書類送検された
  • サッカー部のTwitterに部員11人が顔や名前を明かして騒動を釈明・謝罪する動画が投稿されたが、監督の指示によるものだったと発覚した

秀岳館高校のコーチによる体罰が明るみに出たことに端を発して、監督がテレビ番組に出演して嘘の説明をしたことが発覚、さらには監督からも暴力を振るわれていたとOBにより証言されるなど…。

連日、呆れてしまうような報道がありました。

さらには生徒間でも暴力があったようで…
サッカー部の練習に入学前から参加していた男子生徒が入学辞退に追い込まれた結果、「入学」をしていないから「転学」も出来なくなってしまうという異例の事態にも。

こちらは県私学振興課との協議により、入学辞退を取り下げる(一旦入学したことにする)ことで、なんとか転学に向けて動き出したようです。

【詳報】「遊興費に使った」野球部費150万円を私的流用 30代教諭を懲戒解雇 用具代金の未払いも…飛龍高校(静岡県)|SBS NEWS

記事によると
  • 静岡県の高校で、野球部の監督ら3人の暴言や体罰が問題になった
  • 加えて、会計担当教諭による部費150万円の私的流用が発覚した
  • 運動用具などを購入しているスポーツ店への未払いもあった

沼津市の飛龍高校のニュースについては、わたしは部費の私的流用に関するものを先に見たのですが、なんとその前に監督ら3人による暴言や体罰が発覚していたとのこと。

会計を担当する教諭が一人で部費を管理していたとのことですが、部活動で使用する用具を購入している業者に対する支払いもせずに、遊興費に使ってしまうだなんて…。

部費は150万円ほどが使われ、残高は700円ほどだったそうです。

当該教諭は弁済の上、懲戒解雇となっています。

野球部員の死因明らかにされず 倒れた直後は会話できない容体、岐阜協立大会見|岐阜新聞

記事によると
  • 岐阜県の大学で、野球部員が練習中に倒れた
  • トレーナーは救急車を呼ぶよう進言したが監督が応じず、その後、部の車で病院まで搬送した
  • 倒れた部員は翌日死亡し、死因は明らかにされていない

道具の片付けをめぐり、いわゆる罰的なものとして1時間以上のランニングをコーチから課されていた最中の出来事だそうです。

意識がなく水も飲めない容体だったにもかかわらず、なぜコーチと監督は倒れた当該野球部員のもとに駆け寄ることもせずに、救急車は不要だという間違った対応をしてしまったのでしょうか…。

学長の会見によると、監督は熱中症だと判断していたということですが、意識がなくなるレベルの熱中症であれば救急車を呼ぶ判断に至るべきですよね。

また、当該野球部員は搬送後に新型コロナに罹患していたそうですが、4月以降は求められていたはずの練習前の検温が十分に行われていなかったことも明らかになりました。

監督やコーチは自宅待機中だそうですが、日頃から練習の進め方などの体制に問題があったように思えてならない悲しいニュースですね…

暴言や体罰はなぜなくならないのか

時代遅れで閉鎖的な「スポ根」が原因?

スポーツというのは、運動や競技を楽しむことが本来はベースにあるはずです。

ところが、より優れた結果を求めるあまり…
長すぎる練習時間厳しすぎる上下関係水分補給や休憩の不足など特有の問題を抱える学校もまだまだ少なくないようです。

そして、なにも運動部に限ったことではありませんが、「学校」や「部活」というのはどうしても閉鎖的な空間になりやすいという性質があります。

いわゆる強豪校であればあるほど、その空間に憧れて入学する生徒たちもきっと多くいるはずです。

そしてそれがたとえどんなに旧態依然とした空間であったとしても、そんな生徒たちにとっては「ここではこれが当たり前なんだ」と思ってしまいますし、仮に「あれ?おかしいな?」と感じたとしてもなかなかヘルプを求められないんですよね。

「先輩たちも乗り越えてきたんだ」
なんてコーチや監督に言われたら…
歯向かうことができないですよね…

私立の運動部ならではの、部活動至上主義?循環しない怖さ?

たまたまかもしれませんが、今回問題となった学校は3つとも私立です。

わたし自身は中高と私立に通い、勤務先も私立でしたが、私立の宿命として生徒募集・特色づくりが避けられません。実際、トップアスリート輩出を期待される強豪校も少なくありませんよね。

そして公立との大きな違いは、基本的に異動がないんですよね。

名物先生として名を馳せていらっしゃる方もいらして、その先生の存在そのものが学校の特色とされる場合もありますが、誤解を恐れずに言うと、異動がないということは多少の問題があったとしても先生は居座り続けることが出来ちゃうわけです。

循環しないことが、私学の大きな特徴です。

注目を集める・入学希望者を集めるためには進学実績部活動の華やかな実績が目を惹くわけですが、同時に活躍する生徒を支えるに足るだけの教師やスクールカウンセラーによるメンタルケアそして顧問教師や監督者の人間性の担保がなされないと、今回のような結果を招いてしまうのかもしれません…。

もちろん運動部だけの問題でも
私学だけの問題でもありませんし、

いい学校ももちろんあるけど…
今回は私立運動部の陥りやすい欠点
浮き彫りになった感があります

まとめ

今回は「運動部の指導者による不祥事」に関する話題を3つ紹介しました。まとめるとこんな感じです。

今日のポイント
  • 私立学校の運動部における監督や教諭による体罰や暴言、不祥事が相次いで明らかになった
  • 学校や部活動が持つ特有の「閉鎖的な空間」や「部活動至上主義」が要因か

今回のケースでは「疲弊しすぎた教員によるミス」という様子は見られませんが、「ブラック部活」なんて言葉もよく耳にするようになりました。

地域移管も話題になっていますし、部活動のあり方について大きな転換期を迎えているようです。

部活動の地域移行について

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