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2021年度の中学校入試はどうなるの?2度目の緊急事態宣言

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こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

先日の1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)に続き、関西でも大阪、兵庫、京都の2府1県から緊急事態宣言の要請が出ています。

引用元ニュース

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210109/GE00036550.shtml【リンク切れ】

《MBS NEWS》1月9日の記事です。

新型コロナウイルスの感染が急拡大している大阪・兵庫・京都の3府県の知事は1月9日午後、政府に緊急事態宣言を出すよう求めます。
(大阪府 吉村洋文知事 1月9日)
 「首都圏で起きていることが関西圏でむしろ起きる方が必然だというぐらいの危機感をもって対応しなければならない。医療も非常にひっ迫していることを考えると、一体となって緊急事態宣言を国に要請すべきだと。」

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20210109/GE00036550.shtml

実は関西では例年、センター試験の日=中学校入試の初日なのです。
統一日やA日程と呼ばれています。
今年は名称が変わって共通テストとなりましたが、1月16日(土)がこれにあたります。

昨年度まで私立中学校に勤めていたわたしとしては、緊急事態宣言が出た場合の中入試の扱いについて気になったので、ニュースを調べてみました。

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対応には、先生の質が求められる

《NHKニュース》1月8日の記事です。
7日に緊急事態宣言が発令された、埼玉県の私立中学校入試の例が紹介されています。

1都3県で最も早く、私立中学校の入試が10日から始まる埼玉県の中学校では、新型コロナウイルス対策で机ごとにパネルを設置するなど対応に追われています。
毎年延べ1万人以上が受験するさいたま市見沼区の私立栄東中学校では、10日から予定どおり入試が行われる予定です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210108/k10012803231000.html

関西の中学校って、女子校だと延べ人数(B日程などの重複も含む)でも受験者って1000人程度なのですが、1万人って……!?

共学とはいえ……
さすが首都圏、規模が違います!

こちらの私立栄東さかえひがし中学校は、かなり偏差値の高い人気校だそうです。

ことしは受験生や保護者が密集するのを避けるため、試験を10日と12日の2日に分けて実施するということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210108/k10012803231000.html

入試日を分けるということは、異なる試験問題を準備するのでしょうか。同程度のレベルで異なる作問って、公平性を考えるとものすごく大変…!

また、1つの教室で受験生の人数を例年よりも10人以上減らすほか、机ごとにパネルを設置し、生徒1人につき1本、除菌用のスプレーを配布します。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210108/k10012803231000.html

受験室に入れる人数を減らすということは、受験室として使う教室が増えますから、試験監督の教員数もその分多く必要になります。
守秘義務の観点から、複数校を掛け持ちしている可能性がある非常勤講師が監督に入ることはあまりないでしょうし、十分な専任教諭が確保できている学校でないと難しいですね。

こういった非常事態にこそ、教師の各々の力が、そして教師を育てようとする環境が試されますね。

私立の学校って転勤も少ないですし、教師の魅力・実力が学校を作ると言っても過言ではないと思うのです。私立学校の引き継ぎシステムの弱さについては、わたし自身が苦しんだところでもあります。

早くも入試を終えた関西の学校が

奈良県の私立西大和学園中学では、既に3会場で入試を終えたようです。関東の難関校を本命とする受験生が、前哨戦として出願する場合もあるのだとか。

《朝日新聞デジタル》1月9日の記事です。

緊急事態宣言初日の8日朝、東京国際フォーラム(東京都千代田区)で行われた、西大和学園中学(奈良県河合町)の東京会場での入試の一コマだ。200人を超す小学6年生がマスク姿で臨んだ。
 東海、岡山会場でもこの日に入試を行い、3会場を合わせた今年の志願者は昨年より75人多い486人だった。東京会場の受験者も昨年より1割ほど増えた。

https://www.asahi.com/articles/ASP193HJKP15UTIL04Q.html

さきほどの栄東中学校のように2回に試験を分ける学校もあれば、追入試を新設した学校もあるようです。受験者本人が新型コロナウイルスに感染した場合や、濃厚接触者として自宅待機を命じられた場合のためですね。

新型コロナの感染者や濃厚接触者のための追試を設ける動きもある。2月23日に追試を新設した開成中の野水勉校長は「2回の試験の公平性を保つのは難しいが、何よりも受験機会の確保を優先した」と説明する。灘中(神戸市)、桐朋女子中(東京都調布市)、大妻多摩中(同多摩市)など、各地の学校に広がっている。

https://www.asahi.com/articles/ASP193HJKP15UTIL04Q.html

例年であれば公平性を重視して、インフルエンザ罹患の場合も別室での当日受験を余儀なくされていました。しかし新型コロナウイルスではそうもいかず、受験機会の確保を最優先すべきということですね。

塾の慣例・激励にも影響

塾ごとにのぼりを立てて集まって小さな集団を作り、最後のポイント確認をしたり、カイロにメッセージを書いたり……。

塾の先生が早朝から激励のために各校を訪問するのがおなじみの光景なのです。

《朝日新聞デジタル》1月8日の記事です。

学習塾の関係者が試験会場前に集合し、旗やのぼりを掲げるなどして塾生を激励する中学受験の「慣例」も減りそうだ。関西を中心とした中学受験の大手「浜学園」(兵庫県西宮市)には、「3密」を避けるために、学校側から「激励」の自粛を求める連絡が相次いでいる。

https://www.asahi.com/articles/ASP175TZ8P16PTIL002.html

わたし自身、2002年度の中学入試を体験しているのでよく分かりますが、このコロナ禍に置き換えて考えると……この「激励」は、まさに密な光景でもありました。

渉外担当課長の山田晃一さんは「子どもの緊張をほぐすための非常に重要な行事なのに。できないとなると塾生たちへの影響が大きい」とため息を漏らす。

https://www.asahi.com/articles/ASP175TZ8P16PTIL002.html

保護者の入場さえも制限している学校があると聞きますから、敷地内に入る人数を制限したいという学校側の気持ちもまた、よく分かります。

私立中学試験の感染対策の例
灘(神戸市東灘区)
・学校HPでも合格者を発表
甲陽学院(兵庫県西宮市)
・コロナ感染の受験生らに追試験の機会
・1教室あたりの受験生を例年の約40人から30人に減らす
四天王寺(大阪市天王寺区)
・試験日は来校後に検温。平熱なら「検温確認テープ」を手首に巻いて受験
・コロナ感染の受験生らに追試験の機会
高槻(大阪府高槻市)
・一斉休校の影響を踏まえ、理科と社会の出題範囲を縮小
洛星(京都市北区)
・試験当日の朝の検温結果や体調を記入するチェックシートを用意。提出を義務づける
・コロナ感染の受験生らに追試験の機会
同志社女子(同市上京区)
・試験日の1週間前から体温測定を求める
・コロナ感染の受験生らに追試験の機会

https://www.asahi.com/articles/ASP175TZ8P16PTIL002.html

感染予防のため、複数校の受験を避ける傾向もあるようです。来年度以降の入試形態に、大きく影響がありそうです。

おわりに

わたしがこの記事を書いている12日(火)の時点では、関西については緊急事態宣言の要請に留まっており、発令されていません。

しかし発令される・されないに関わらず、「仮に発令されたとしても実施できるように」と意識して、各校緊張感を持って最大限の状態で受験生を迎える準備をしているのだと分かりました。
大学入試共通テストと同様ですが、「やめます」「やりません」だなんて、言えないですもんね。

ご家庭によっては同じ日に、共通テストを受ける兄姉がいる場合もあるはずです。せめて交通機関や天候による混乱が起こらないようにと祈るばかりです。

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