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西洋美術史おすすめ入門本!歴史や本が苦手な人にも読みやすいものを選びました♪

美術教科教材研究おすすめの本西洋美術史 教師向け書籍
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こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。

  • 教材研究部活動指導のために技術や知識を身に付けたい
  • 生徒への伝え方や例示方法を勉強出来る本が知りたい
  • 教員採用試験に向けて、美術科の専門教養の対策をしたい
  • 免許外教科担任・臨時免許で美術を持つことになって困っている

こんな方におすすめの記事です。

著作権の都合上本の中身を載せられないのが残念ですが、書籍選びの一例として、これから先生を目指す人や現役の美術の先生、免外や臨免で美術を担当している先生方にも役立ててもらえると嬉しいです。

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今回は《西洋美術史》を学ぶ本

美術の教材研究の中でも、特に鑑賞領域美術史にまつわる授業で役立った《西洋美術史》の知識を深めるために便利な本をご紹介します。

ざっくりと美術史全体の流れを掴むための入門書を、こちらの記事で取り上げました。

今回はざっくりした入門書からは一歩踏み込んだ、美術の歴史の流れを時代や様式ごとに掘り下げて、分かりやすく解説した本になっています。

一歩踏み込んだと言っても、わたし自身が文字ぎっしりの本を読むのはあまり得意ではなく……堅いかっちりしたいわゆる学術書的な本ではありません。

中高生に対して美術史を教える際の事前準備を想定していますが、中には中高生自身にもおすすめできるほど読みやすいものもあります。
歴史や本が苦手な方も、安心してくださいね。

いちばん親切な西洋美術史/池上英洋/新星出版社

掲載は時代順で、基本的には見開き2ページに対して1つのトピックがまとめられていています。トピックは様式であったり作家であったり、様々です。

その時代にどんな出来事が起こったのかが合わせて書かれているので、なぜその様式が発達あるいは衰退したのかが分かりやすいです。

たとえばロココの章は“宮廷主導の華やかで軽快な美術が開花”というキャッチコピーがついており、3つのトピックが入っています。

雅宴画がえんがとヴァトー -ロココ絵画の始まり
②ブーシェとフラゴナール -官能とエロスを追求した甘美な世界
③シャルダンと市民生活 -日常に向けられた画家のまなざし

サロンの評価に沿うような表現が追求されるようになり、宮廷が芸術を主導する時代に発展した結果、パトロンとなった貴族たちの趣味に依存していってしまうのがロココ様式の特徴なのですね。

この本はタイトルにもあるように親切なのですが、わたしが特に親切だなぁと感じた点は、用語にふりがながついているところです。

これって地味に思われるかもしれませんが大事なことで、磔刑たっけい現人神あらひとがみ点描てんびょうなど歴史的なキーワードや画法には特殊な読み方をするものも多く、そうかと思えば平易な読み方だったりもして、初心者には意外と混乱の種なのですよね。

用語だけではなく夭折ようせつ招聘しょうへいなど普通に読みづらい漢字にもふりがながあるので、大人(先生)だけではなく美術史に興味がある中高生にもおすすめできる一冊でもあります。

マンガでわかる「西洋絵画」の見かた/池上英洋/誠文堂新光社

社会的背景や絵に込められたメッセージを知ることで、展覧会をより一層楽しめますよ!というコンセプトの本です。買った後で気付いたのですが、上の親切な本と同じ池上さんの著書でした。

“巨匠ストーリー”と題されたマンガ調の作家紹介が1人につき見開き2ページ、それとは別に“名画を読む”と題された絵画紹介が1作品につき見開き2ページで詳細に語られているところも大きな特徴です。

“巨匠ストーリー”と“名画を読む”が両方ある場合もあれば、片方のみの場合もあります。

たとえばレンブラントについては、レンブラントで2ページ+『夜警』で2ページ、合計4ページ扱われています。

ミレーについては“巨匠ストーリー”のページはなく、『落穂拾い』で2ページ扱われています。セザンヌについては“名画を読む”のページはなく、セザンヌで2ページ扱われています。

巻末には美術史の流れをおおまかにまとめたページと、日本で西洋絵画を見ることができる美術館のガイドページがあります。エル・グレコ『受胎告知』は大原美術館、ルノワール『レースの帽子の少女』ならポーラ美術館といった具合です。

常設で展示されているとは限りませんが、お気に入りの西洋絵画の実物を日本で見られる場所が分かるのは便利ですね。

ざっくり美術史が分かるおすすめ入門書の記事でご紹介した『101人の画家』もマンガで解説されていましたが、あちらは全体的に親しみやすいマンガという感じでした。

今回の本のほうは挿絵的にマンガ表現が用いられていて、文字情報もそこそこ多いタイプです。

読みやすさを重視するなら、
まずは『101人の画家』がおすすめ!

西洋絵画のひみつ/藤原えりみ/朝日出版社

宗教や戦争、絵画の格式についてなど、西洋絵画のややこしそうな部分“ひみつ”と称してやさしく解説してくれる本です。

ひみつは全部で4つあり、どれも章題を見ただけで内容が気になるものになっています。まさに中高生が抱きそうな疑問ですよね。

ひみつその1 キリスト教美術は、聖書の「さし絵」だった!
ひみつその2 「日常」が描かれるまで、長い時間が必要だった!
ひみつその3 なぜ、ヌードなの?
ひみつその4 むかしといまでちがう絵画の「つくる」「売る」「飾る」

親しみのある挿絵がとてもかわいらしく、アトリビュートと呼ばれる新約聖書の人物をしめす持ち物の紹介やユダヤの民の歴史ダイジェストなど、とっつきにくい要素も面白く表現されています。

ストーリーが分かれば、暗くてなじみのない絵がぐっと身近なものになりますね。

この本もふりがなが多く、また言葉選びのフレンドリーさもあって、専門性の高い内容ながら中高生にも読み進めやすい一冊だと思います。

すぐわかる西洋の美術/宝木範義/東京美術

この《すぐわかる》シリーズは定番の入門書で、他にもいくつか持っています。

絵画・彫刻・建築工芸の3つの章に分かれており、さらに章の中では時代順に様式(作品)が紹介されています。

たとえば絵画の章にも彫刻の章にもルネサンスが出てきて、絵画の章では『ヴィーナスの誕生』、彫刻の章では『ダヴィデ』がそれぞれピックアップされているという具合ですね。

特定の作家を紹介するページはなく、広く浅く歴史の流れを掴むことに特化した本です。
見開き2ページに対して1つの様式というコンパクトな作りで、淡々とした簡潔な文章が書かれています。世界史の教科書を読んでいる気分に近いかなと思います。

出版が2000年なので、情報としては少々古い部分もあるかもしれません(内容が美術史なのでそれほど影響はない気もしますが)。また、新品が手に入りにくいという欠点もあります。

西洋美術史/高階秀爾/美術出版社

美術史研究の権威と言われる高階さんの著書ということで、上の4冊に比べると文章が多く内容が深いです。

本当に情報量が多いので、読みやすい本なのかと聞かれると正直頷きづらいところはあるのですが……「美大生なら全員持っているのでは」と言えるほどお馴染みの一冊ですので、紹介することにしました。

本を読むのが苦手なわたしは、他の手軽な本で知った様式や作品についてより一層知りたくなったときに、この本の該当部分を参照するようにしていたんですよね。

巻末の用語解説、カラー年表、関連地図、掲載作品データ、人名索引等も便利で、ちょっとした辞書のような感じで使うといいですよ。

西洋美術史ハンドブック/高階秀爾・三浦篤/新書館

上の本と同じ、高階さんの著書です。こちらの本では様式や作品についてというよりも、各作家について半ページから2ページずつを使って詳しく書かれています。内容はやはり深く、情報量は多いです。

最新版がどうなっているかは未確認ですが、わたしが持っている第6刷では図版はほとんどモノクロなのが残念でした。最近の本は、フルカラーが一般的ですからね。

そういった意味では、タイトルを見るだけで作品がパッと頭に浮かぶようなある程度の知識を有する人を読者と想定して書かれた本かなと思います。

また後半には、西洋美術史学そのものの歴史が24ページ分書かれています。

たとえば今では当たり前のように使われている「様式(スタイル)」という言葉ですが、美術の歴史を叙述するために使い始めたのはヴィンケルマンという人だそうです。美術史研究を志す人に向けた本でもあるのですね。

最後の2冊はA5版サイズに文章と図版がぎゅぎゅっと凝縮されていることもあり、入門書によくあるここがポイント!みたいな分かりやすいアイコンはありません。

それだけ情報量が多く網羅性が高い本であると言えますが、読書慣れしていない人や中高生がこの本から入ると、美術が高尚で難しいものに思えてしまって辛いかもしれませんね。

おわりに・美術史の授業についての考え方

中でも個人的に一番おすすめしたいのは『いちばん親切な西洋美術史』です。

わたし自身は美大に入るまで、美術史に関する知識にはほとんど触れずに生きてきました。

作品に対する世間の評判自身の感じ方のギャップに苦しんだからこそ、生徒たちには自分自身の感動」を大切にしてほしいと心がけて教材研究をしました。

他方で、知識を増やして経験を積むごとに……
「美術教師は個人的な好みを生徒に押し付ける」という誤解を恐れるあまり、結局わたし自身は自分の感動を大切にすることが出来なくなってしまった気もします。

「どの作品も素敵で、いいところがある」

それはそれで嘘ではないし間違いではないのですが、「自分自身の感動」を大切にすることとは少し方向が異なっていってしまったのです。
一個人としてのインプットをする時間と気持ちの余裕がうまく作れなかったこともあり、8年の歳月で、わたしにとっては美術教師という立場が少々窮屈なものになってしまいました……。
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先生としてある程度の知識を蓄えることは必要です。
でもそれと同じくらい、一個人としての「自分自身の感動」を忘れずに過ごすことを強くおすすめしたいです。

勤務校の環境にもよると思いますが
自分自身のための機会

意識的に作らないとなくなるので
気をつけてくださいね……

この記事が、現役の先生や先生を目指す人にとって少しでも参考になれば嬉しいです。

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