こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
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こんな方におすすめの記事です。
ニュースの内容と独自の考察を、読みやすい長さにまとめています。
ぜひ最後までご覧くださいね。
今回は「情報科の教員不足」に関する話題を紹介します。
話題は「情報科の教員不足」
情報教員が大幅不足 文科省、全国の教委に充実を要請 – ITmedia NEWS
2022(R4)年度より指導内容をより充実させた共通必履修科目「情報I」が新設され、すべての高校生がコンピュータのプログラミングを学ぶなど、これまで以上に指導体制の充実が求められています。
求められる内容が増えていると言える状況にもかかわらず「情報」の授業を他教科の教員が任されているケース、つまり免許外教科担任制度の活用が多いそうで、全国的な課題となっています。
2020年度(令和2年度)に文部科学省が実施した調査によると、共通教科情報科を担当している教員5,072人のうち、1,210人が臨時免許状や免許外教科担任の許可を受けた先生だったそうです。
関連 臨時免許状とは・免許外教科担任制度とは
つまり情報を教えている先生のおよそ4分の1が、本来は情報の先生ではないということですね。
また、情報の免許を持っている先生が他の教科を兼任している場合も多いようで、情報の授業だけに専念できている情報の先生がすごく少ないということになります。
記事によると、文科省が各教育委員会に促した環境整備対策はこちらです。
- 情報免許保有者の計画的な採用の実施や配置の工夫
- 専門外の教員の情報免許取得促進
- 外部人材の活用
- 遠隔授業による複数校指導
これまで各教育委員会は、情報の免許を保有している教員を積極的に正規教員として採用してこなかったという経緯があるようです。
情報に限らず…いわゆる副教科は
単位数が少ないこともあって、
採用数が少なくなりがちなんですよね
大学生の立場からすれば、採用されにくいらしい→教員を目指すことをやめる、というパターンもあると思います。
2022年7月1日に廃止されましたが、教員免許の更新制もありましたしね。
コロナ禍もありせっかくオンライン授業の環境が整った学校が増えたんですから、ICTを活用した「4.遠隔授業による複数校指導」が進んでいけばいいなと思いますが…プログラミングなどのいわば実技指導をオンラインでおこなうのは、人数の少ない小規模校であってもなかなかハードルが高そうです。
情報と数学の教員免許を両方取得可能な大学に注目が
岩手県立大学のソフトウェア情報学部では2022(R4)年度入学生から従来の教員免許の高校「情報」に加えて中学・高校「数学」を同時に取得できるよう教職課程を改定する取り組みが進められ、県内初ということもあり話題になっていました。
文科省からの通達には「2.専門外の教員の情報免許取得促進」がありますが、教員として働きながら追加で免許を取得するのは至難の業なので、こうして大学の時点で複数取得できるといいですよね。
情報に限った話ではありませんが、複数の教員免許を持つことが教員採用試験の加点になる自治体もありますし、講師登録をする場合も単純に教科の数だけ声が掛かりやすくなるというメリットもあります。
もちろん取得のための勉強も増えますが
授業の割り振りをする学校側からすれば
複数免許所持者は重宝する人材です。
ただ、情報だけ・数学だけの先生として働いていきたい・専門性を磨きたいと思っている人にとっては(誤解を恐れずに言うと)持ちたくない授業を持たされる恐れがあるということにはなりますが…
副教科あるあるの単位数の少なさから、実際のところ情報の先生は免許外の授業を担当させられるケースも多いようですし、望まない教科を受け持つよりは免許を持つ数学を兼任する方がいいとも言えます。
他にもいくつかの大学で、情報と数学の同時取得が可能なカリキュラムが組まれていますよ。
公式岩手県立大学 ソフトウェア情報学部
公式東邦大学 理学部情報科学科
公式九州産業大学 理工学部情報科学科
まとめ
今回は「情報科の教員不足」に関する話題をご紹介しました。まとめるとこんな感じです。
このような人材や指導力が不安定な状況下で、なぜ情報を加えた6教科8科目の共通テスト受験を原則とすることが決まってしまったんでしょうね…生徒に不利益がないように進んでいくことを願います。
情報科に限らず副教科に多い免許外教科担任制度について、別の記事で詳しく取り扱っています。
あわせてご覧いただけますと幸いです。
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