こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
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こんな方におすすめの記事です。
ニュースの内容と独自の考察を、読みやすい長さにまとめています。
ぜひ最後までご覧くださいね。
今回は「肌色のクレヨン」に関する話題を紹介します。
話題は「肌色のクレヨン」
世界の肌の色、クレヨンセットに 24色、多様性理解へ米で寄付も
話題のクレヨンセットはアメリカの画材大手・クレヨラ社が発売したカラーズ・オブ・ザ・ワールドという商品で、いわゆる「肌色」だけで24色が入ったセットなんですね。
近年では人種差別に対する問題意識や多様性理解という観点から、世界的に使用が控えられつつある「肌色」という呼称。
アメリカで100年以上愛されているクレヨラ社は、約60年前の段階からいち早く、人肉を意味するfleshという名称をpeachに呼び変えたそうです。
日本でも2000年ごろから、クレヨンや色鉛筆の色味に対して「肌色」と呼ばずに「うすだいだい」「ペールオレンジ」などと呼ぶことが定着しつつありますよ。
参考はだいろがなくなった|よくあるご質問|三菱鉛筆株式会社
2000年9月の生産から「はだいろ(肌色)」の呼称を「うすだいだい」に変更しました。
はだいろがなくなった|よくあるご質問|三菱鉛筆株式会社 より
「はだいろ」の呼称は、人の肌の色へ固定観念を与える可能性があると指摘されていたことから、市場の混乱を避けるため、株式会社トンボ鉛筆、株式会社サクラクレパス、当社の3社で協調し、一般的でわかりやすく、語感がよく、色を連想しやすく、日本人に馴染みやすく、他の業種にも混乱を来たさない、などという点から、和名「うすだいだい」、英名「Light Orange」への変更を決定しました。
画材以外にも、こちらの「肌色の絆創膏」が話題になっていましたね。
ジョンソン・エンド・ジョンソンが発売した商品ですが、2005年に一度発売した当時は関心が低く、発売は中止されていたそうです。
約15年が経ち、社会の動きが変わってきたと言えますね。
美術や図工で「肌色の作り方を教えて」に対する工夫
絵の具の授業で「先生!肌色の作り方教えて」と尋ねられた時は、わたしは「決まってる肌色っていうのはないなぁ。描きたい人物のお肌の色によるけど、どういう雰囲気にしたい?ほら、小麦色の健康的なサーファーとか、日光に当たらない青白い令嬢とか…」というように答えていました。
いくつか人物画が載っている図録を用意して、「この中でいうとどんなお肌の色?」と選んでもらうのもいいと思います。
わたしの勤務校は女子校だったこともあり、ファンデーションにもいろんな色があるよねという流れで進めると、スムーズに希望の色味を引き出しやすかったです。
こうして具体例を出して話を進めると
生徒側も「普通の肌色」などと
答えることはほとんどなく、
教師側も進めやすくなりました!
このように書くと、「肌の色」は気を遣う色・扱いづらい色であるようにも思えるかもしれません。
しかし別に肌の色に限った話ではないんですよね。
海の色でも山の色でも、「この色がいいよ」と先生が決めるのではなく、いくつかの選択肢や具体性から描き手本人に選ばせるという姿勢は非常に重要であると考えます。
まとめ
今回は「肌色のクレヨン」に関する話題を、さくっと紹介しました。まとめるとこんな感じです。
日本で「肌色」が置き換えられ始めて、もう20年ほど経ちます。
小中高生にとっては、生まれた時には「肌色」の商品は消えつつあったはずなんですよね。
「皆さんの周りでは最近、「肌色」という呼称を耳にするでしょうか」と、あえて先生の方から投げかけてみるのもいいですよ。
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