こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
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今回は「どんな人にも使いやすいmahoraノート」に関する話題を紹介します。
話題は「どんな人にも使いやすいmahoraノート」
お気に入りの「mahoraノート」発達障害当事者に向けてデザインされたものでした|ハフポスト
「住みごこちのいいところ」を意味する古語の「まほろば」から命名された「mahora(まほら)ノート」が、どんな人にも使いやすく魅力的なノートであるとして日本文具大賞の優秀賞を受賞し話題になっています。
一般的なノートでは、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)といった発達障害を持つ人にとって「白い紙だと光の反射がまぶしい」「薄い罫線だと途中で書いている行がわからなくなる」「余分な情報があると集中しづらい」という悩みが生じやすいそうです。
その結果ノートを使わなくなってしまい、成績が下がって学習意欲が低下して…という悪循環もままあるのだとか。
発達障害による特性や悩みは個人差が大きいものではありますが、この3点の悩みを複数の当事者と協力して解消したことで、mahoraノートは誰にとっても使いやすいノートとして誕生したんですね。
発達障害の人向け!という広告を打ち出していたわけでもなく、その使いやすさが自然と社会に溶け込んでいき、好評を得ていったようです。
ユニバーサルデザインの好例だと思いました。
mahoraノートはグッドデザイン賞にも選出されています。
ノートそのもののデザインはもちろんのこと、企画の初期段階から当事者を巻き込んで製品開発をしたという点も高い評価を得ているんですね。
罫線の幅や紙の色合いなど、何度も試行錯誤を重ねたそうです。
ユニバーサルデザインによる発達障害への支援
「デザイン」という言葉だけで「ユニバーサルデザイン=美術の授業だけで扱うもの」と思っていた他教科の先生もいるかもしれませんが、これは美術科に限った話題ではないんですよね。
ユニバーサルデザインって、少し前までは身体障害を抱える人や高齢者のための製品として紹介されることが多かったと思います。
実際に美術の教科書や資料集で掲載される製品としても、シャンプーボトルのギザギザや軽い力で切れるはさみなどが例示されていますし、限られた授業時間の中ではその方が明快で分かりやすいというのは確かなことです。
しかし最近では、教室の調光や板書の配置、分かりやすい発問方法や宿題の伝え方など、ユニバーサルデザインの視点を取り入れた授業づくりや教室づくりが発達障害への支援方法になるとして改めて注目されています。
勘違いされがちですが、そもそもユニバーサルデザインというのは何も製品のことだけを指すわけではないんですよね。環境もデザインすることができるのです。
今回ピックアップしたmahoraノートのような製品と、教室環境の整備や学習や生活のルールを明確化することなど教師の工夫による環境が合わさることで、学校はどんな生徒にも居心地のよい場所になり得ると思います。
ユニバーサルデザインは、
美術科だけのものではないのです!
まとめ
今回は「どんな人にも使いやすいmahoraノート」に関する話題を、さくっと紹介しました。まとめるとこんな感じです。
美術教育としては製品づくりの過程を好例として取り上げたいですし、一教員としては困っている児童や生徒に対して紹介できる解決方法として知っておきたい、素敵なノートです。
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