こんにちは。
元美術教師のうさぎ先生です。
先生個人の携帯電話から家庭への連絡をしなければならないのはどんな時なのか、教師の立場からも保護者の立場からも、疑問を持つ人が多いようです。
実際にわたしは8年間の勤務の中で、個人の携帯電話から何度か保護者宛の電話連絡を経験しました。
先生にとっては「どの程度の緊急度で、自分のケータイから連絡すればいいかな?」と迷いますし、保護者の方にとっては「先生の個人携帯から連絡なんて、何があったの?」と不安に思う場合がありますよね。
- 新任教員の人
- 初めて担任や副担任を持つ人
- 初めて女子校に勤める人
- 学級経営について知りたいと思っている人
- 保護者との関係性づくりに悩んでいる人
- 先生から着信があって驚いている人
こんな人におすすめの記事です。
今回はわたし自身が教師個人の携帯電話から家庭連絡を入れたケースを挙げながら、個人携帯を使う場合に気をつけていたことをご紹介します。
こんな学校に勤めていました
- 美術教師(常勤講師2年、専任教諭6年)
- 20代女性
- 私立の中高一貫女子校の中等部
- 担任学年は3年間持ち上がり
- 一クラス3〜40人 × 5〜7クラス
- 生徒一人ひとりの個性を伸ばす校風
- 教師には手厚く丁寧な対応が求められる
わたしの勤務校では学校と家庭との電話連絡はかなり頻繁に行うほうだったと思います。
私学ということで家庭訪問もなく、授業参観にも遠方でなかなか来校できない保護者の方も多かったので、電話が重要なコミュニケーションツールだったんですよね。
そうはいっても先生個人の携帯番号や住所は明かさない方針でしたので、原則的には学校の電話のみでやりとりをしていました。
生徒数も多く、回線数は多いほうだったのだと思います。
なおプロフィールにも明記している通り生徒や先生の特定を望むブログではありませんので、一部情報を置き換えて記載する場合があります。
どんな時に先生個人の携帯電話からかける?
基本的には使わない
わたしの勤務校では、家庭への連絡において先生の個人携帯は使いませんでした。
ただ、次のようなケースで個人の携帯電話から保護者連絡をしたことがあります。
①宿泊行事でケガ
学校行事でキャンプ施設にいた時に、生徒がやけどをしてしまいました。
軽いやけどではあったのですが、中学一年生で入学後初めての宿泊行事であったこともあり、念のため本人が帰宅する前に電話連絡をしました。
入学後すぐという時期もあり、「娘がやっと帰ってきたと思ったら、ケガをさせられていた!」となると保護者のショックも大きくなりますからね。
同じく学校行事で、ジャージに穴が空いてしまったこともありました。
入学後すぐのほぼ新品のジャージですから、破れたと分かるとショックが大きいだろうと思い、この時も本人が帰宅する前に電話連絡をしました。
帰宅後の子どもの様子を見て「先生から連絡があったからドキドキしたけど、大したことない穴でよかった」と思ってほしい感じです。
心構えがない状態だと、
ちょっとしたケガでも
激昂なさる場合もあったり…
入学直後の電話連絡の大切さについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
関連初めて保護者に電話する先生が知っておくと役立つ5つのテクニック
わたしは経験がありませんが、病院に連れていくほどの大怪我であれば担任ではなく養護教諭からの連絡となる場合が多いようです。
②校外学習の日に相談事
学校行事で文化施設にいた時に、生徒から「ママが先生に相談したいことがあるから、今日電話がほしいって言ってた。これ、ママの電話番号のメモ。」と伝言を受けました。
その行事が終わるのは夕方で、文化施設には教員も現地集合・直帰予定でした。
学校に立ち寄ってからかけることも出来たのですが、学校行事の日にわざわざ電話番号を託してまで連絡がほしいと言っているわけですから、おそらくママは電話を待っているでしょう。
早くかけた方がよいと思い、行事の合間に電話連絡をしました。
内容は人間関係のトラブルにまつわる相談で、電話の後で生徒本人にも直接フォローを入れることができるタイミングだったので、早く電話をして本当によかったです。
待たせれば待たせるほど、
保護者の抱える不安は
増幅していたことと思います
③夜間の帰宅後に電話連絡
これはわたしの経験談ではないのですが、早く帰りたいけど保護者と電話が繋がらないという場合に、先生が帰宅後、夜間に個人携帯から家庭に電話をするケースもあるようです。
保護者の方にとっては「わざわざ先生の個人携帯から連絡なんて、何があったの?」と不安に思うでしょうし、緊急時以外には使うべきではない…と思ってしまいますが、教師の個人携帯を当たり前のように使う学校もあるようで驚きました。
でもこれって、緊急時ならまだしも頻回になると生徒の個人情報の管理としては疑問がありますし、残業という意味でも、帰宅後に仕事してるじゃんっていうところも気になります。
ちなみにわたしは保護者に電話が繋がるまで学校に残っていたので、20時、21時…という時間帯に学校の電話から家庭連絡をすることもしばしばありました。
これはこれで大変でしたけど、仕事とプライベートは分けたいと思っていたので、帰宅後に自分のケータイから家庭に連絡を入れるという発想はそもそも無かったです。
このあたりは学校によるというか、
職員室の文化次第で大きく異なりそう
先生個人の携帯電話を使う時に気をつけたこと
①184をつけてから非通知発信
教師個人の携帯電話の番号を知られてしまうと休日や夜間にも保護者から電話がかかってくることがあるというトラブルを事前に聞いていたので、電話番号を非通知発信にできる「184」を付けてから発信していました。
ただ、保護者によっては非通知の電話には出ないという人もいるので、何度かかけても出ない場合は番号を明かして発信しました。
中には「先生この連絡、個人のケータイから?わざわざありがとうございます。番号は履歴から消しておきますね。」と言ってくださった親切な保護者もいらっしゃいました。
②生徒の個人情報の管理
わたしの勤務校では生徒の家(あるいは保護者の携帯電話)の電話番号のリストを学校外に持ち出すことは、個人情報の管理という観点から避けるべきとされていました。
学校行事の際は各担任が自分のクラスのリストを持つのではなく学年主任がまとめて全クラスの分を持ち、必要な場合のみ各担任にリストを渡すようにしていました。
クラブ活動の遠征の際は顧問の一人が部員のリストを持ち、必要な場合のみ他の教員に伝えるようにしていました。
不便といえば不便でしたが…基本的には連絡することなく終わるはずなのです。
リスクを減らすことを優先するこの形でなんら問題なかったと思います。
ぺらっとリストを落としてしまうと
個人情報の流出で
ニュースになりますからね…
ただこのあたりは連絡網の仕組み次第で、学校によって大きく異なるようです。
災害で休校になる場合など、わたしの勤務校では管理職から保護者宛に一斉メールで伝える方式でした。
ところが、学校から先生の個人携帯に連絡、そして先生の個人携帯から各家庭へと連絡網を回している学校もあるのだとか。
前述の夜間連絡の場合もそうですが、教師が自宅に各家庭への電話連絡のリストを置いておくなんて、個人情報の管理として怖いと思ってしまいますが…。
学校の規模にもよるのでしょうね。
わたしが小学生の頃は
そのスタイルだったけど、
もう20年も前の話だし…
今の時代どれぐらいあるのかな?
学校行事にはレンタル携帯の導入がおすすめ
予算の都合上すべての行事ではありませんが、大きな宿泊行事の際には学校として携帯電話をレンタルすることがありました。
全教員が持つわけではなく1〜3台程度をレンタルして、適宜持つ先生を変えて使っていました。
「この番号にかけると、誰か先生が出ます」と生徒にあらかじめ伝えておくことができるし、教師個人の電話番号が知られてしまうとか通話料がかかるとかいちいち気にしなくて済むので、個人的には全ての引率行事でレンタル携帯が導入されたらいいのになぁって思っていました。
ちなみに…
保護者への連絡で使用することは前述のように稀なのですが、引率時に施設や旅行会社の担当者と連絡を取り合うためには、先生の個人携帯を頻繁に使用していました。
携帯電話やPHSが普及する以前は
引率行事って今よりもっと
大変だったんだろうなぁ…
おわりに
今回の記事では、わたし自身が教師個人の携帯電話から家庭連絡を入れた例と、個人携帯を使う場合に気をつけていたことをあわせてご紹介しました。
わたしの勤務校は先生の携帯番号や住所を明かさない方針でしたが、中にはオープンにしている学校もあるそうで驚きました。
ICT化が進んでいる学校だとアプリ経由で保護者に直接メッセージを送れる場合もありますが、先生の声で心配する気持ちを伝えた方がその後の関係作りがうまくいく場面が多いように思います。
この記事で少しでも疑問が解消されていれば嬉しいです。
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